義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 ふと、昼間の光景を思い出す。フィーヌは自分が婚約者でいずれは番になるはずだったのにと言っていた。シーラを見る瞳は、まるで憎らしい邪魔者を見るかのようだった。

(本当に、フィーヌ様とフィーヌ様のお父様が勝手に進めようとしていたことなのかしら)

 ルリウスの言葉に嘘は見当たらなかったし、ルリウスのことは信じている。それでも、自分がここに来るまでのことは何も知らないのだ。不安になるなという方が難しい。

 小さく重いため息をつくと、ルリウスの執務室と繋がっている扉がガチャリと開く。

「シーラ!起きてたの?」
「ルリウス様……!」

 シーラが起きていることを知って、ルリウスは目を輝かせシーラの隣に座る。
 ルリウスも湯浴みを済ませたのだろう、ラフな部屋着に着替え、湯浴み後の良い香りが鼻先をかすめた。

「なんだかあまり元気のない顔をしている?他の国に来たばかりで疲れちゃったよね。先に寝てて良かったのに」

 そう言って、ルリウスは片手で優しくシーラの頬を撫でる。ルリウスの手の温もりに思わずシーラは頬を寄せて目を閉じた。

「なんだか緊張してしまって……こんなに広くて素敵なお部屋、私にはもったいないんですもの」
「シーラは狭い屋敷に閉じ込められていたからね。でも、これからはここがシーラの居場所だよ。もったいないなんて思わなくていいんだ。俺の番なんだから」

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