義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
「もし音をあげずに居座り続けたらどうなるの?正式に番になってしまうんじゃない?そんなの許せないわ!」
「万が一そうだとしても、正式な番として認められるためには式典をする必要がある。それまではいくらルリウス殿下が番だと言い張ろうが、正式な番とは認められない。それまでにその人間が自発的にこの国から出て行きたいと思うようにすればいい」

 そうするのが当然だと言わんばかりの顔で、フィーヌの父親は言い切る。

「とにかく今は様子を見なさい。下手に動いてルリウス様に警戒されては困る。フィーヌ、勝手な真似はするなよ。ルリウス様に、番として最もふさわしいのはお前だということをしっかりわかって頂かねばならないからな」

 父親の言葉を聞いて、フィーヌは頬を膨らまし、渋々わかったという顔をして視線を逸らした。


*


 翌朝。シーラが目を覚ますと、隣には美しい寝顔で静かに寝息をたてているルリウスがいる。サラサラの青い髪、長いまつげ、瞼を閉じていてもわかる端整な顔立ちがすぐ目の前にあった。

(っ!き、綺麗……!)

 あまりの美しさに思わず声を上げそうになるが、声を上げたらルリウスが起きてしまう。シーラは出そうになる声をなんとか堪えて、ルリウスをじっと見つめた。

(夢じゃないんだ。本当に、私はフォリア国にいてルリウス様の側にいるんだわ)

 それにしてもいつの間にルリウスは来ていたのだろう。緊張して眠れないと思っていたのに、いつの間にか寝てしまって、ルリウスが来たことにも気が付かなかった。

 ふいに、ルリウスが小さく動く。それから、静かに両目が開かれた。

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