義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される

19重すぎる気持ち

「私を、宮廷舞踏会に?」

 シーラがフォリア国へ来て一ヶ月が経ったこの日、シーラはルリウスと一緒に王城の敷地内にある広い庭園のガゼボでお茶をしていた。

「そろそろシーラも王城での生活に慣れてきた頃だし、皆にシーラを紹介するにはちょうどいいかと思うんだ」

 そう言って、ルリウスにっこりと微笑む。降り注ぐ太陽の光はルリウスの美しい青い髪をより一層美しく輝かせ、眩しいくらいだ。近くの花々の良い香りが風に運ばれて鼻先をくすぐる。太陽の光も風も心地よいはずなのに、シーラの心は薄っすらと曇っていた。

(確かにフォリア国には慣れてきたと思うけれど……確か今度開かれる舞踏会には、他国からの参加者がいるとクロウリアが言っていたわ。そんな大事な場で、紹介されるなんて緊張してしまう)

 ティーカップに入ったお茶を覗き込むと、不安げな自分の顔が映る。こんな自信のなさげな自分は、果たして紹介されても問題ないのだろうか。

 そんな風に思ってはダメだ、自分は堂々と胸を張ってルリウスの隣にいるために日々頑張っているのだからと言い聞かせても、すぐに不安が押し寄せてくる。

「シーラ」

 ぐるぐるとした出口のない思考に陥りそうになった時、隣からルリウスの優しい声が聞こえる。ハッとして隣を見ると、ルリウスは眉を下げ優しく微笑んでいた。

 シーラの左手をそっと取り、ルリウスは小さく口づける。

「ルリウス様……」
「心配しないで、シーラ。君を紹介すると言ってもまだ大々的にじゃない。有力貴族と来賓に、俺の番(つがい)になる人だとわかってほしいだけなんだ。そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」

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