義姉に全てを奪われ虐げられた令嬢は、青い小鳥の王子に溺愛される
 目を伏せ鼻先をすりすりと合わせてルリウスは小さな弱弱しい声で言う。いつもの自信満々で頼りがいのある第一王子の姿はどこにもない。
 伏せられた瞳が開くと、その瞳は不安で悲しいと言わんばかりだ。そんなルリウスの瞳を、シーラはしっかりと見つめ返した。

(ちゃんと、私の気持ちを伝えなきゃいけない)

「ルリウス様。そんなに謝らないでください。確かに、全く違う国で戸惑うことはたくさんあります。第一王子の番としてやらなければいけないことは沢山ありますし、不安で胸が押しつぶされそうな時だってあります」

 シーラがそこまで言うと、ルリウスは今にも泣きだしそうなほど悲しい表情になる。

「でも、それだけじゃありません。ルリウス様は私にいっぱい愛を伝えてくれます。何より、ルリウス様は私をあの閉じこめられた屋敷から連れ出してくださいました。あのまま居たら、私はずっとキリルお姉さまに虐められ、何の希望も見出せぬまま生涯を終えていたはずです」

 シーラはそう言って、優しく微笑む。

「ルリウス様はそんな私を救い出してくれました。私は、ルリウス様に出会えてよかったと思っています。小鳥姿のルリウス様を助けたことを、後悔していません。小鳥姿のルリウス様との日々は、本当に幸せでした。あの可愛らしい小鳥がルリウス様だと知った時、驚きと同時にとっても嬉しく思ったんです」

 シーラの言葉を聞いているルリウスの瞳は、差し込む陽の光に照らされてキラキラと輝きだした。まるで、世界そのものが輝きだしたかのように見え始める。

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