一夜の運命。
目線を上げるのが怖くて、抱きついていた男性の胸元に顔を埋めたままでいる。

少し温度が高い手の温もりを背中に感じて、さすられていると気付く。
息を整えたいのに、できない。

落ち着かせてくれようとしてるけど、ダメだ

防音なのか、騒がしいフロアが隣なのに何も聞こえない。
私の荒い息遣いだけが響く。


「っはぁはぁ、はぁ、っはぁはぁ」


止められない。
背中を伝わる熱が逆にゾクゾクさせられて、苦しくなる。


「お願いっ、苦しいの…助けて」



男性の胸元に顔を埋めて、大きく息を吸う。
タバコに混じったサボンの香りが懐かしい感じがして…ゆっくり顔を上げた。


「っ、はぁはぁ…」


白銀色…オールバックにセットされた髪
色白い肌

どこか見覚えがある。
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