一夜の運命。
しばらく撫でていると「…てか」なんていつもより弱々しく声をかけてきた。

「ん?なに?」


手を止めて、ヒロさんを見ると


「…なんでお酒飲めないの?強いよね?」
「あぁ…その…」
「…言いたくないなら、無理に言わなくて大丈夫」


この人に直接迷惑かかる訳じゃないし
いっか、話しても




「妊娠してるの」
「えっ…」



少し目を見開くと、すぐに鋭い目線に戻って

「父親は?元彼?」
「っ…」


低い地鳴りのような声に思わずビクついて…

この目線知ってる。
この前ふと見かけた殺意が湧いた目線。

誤魔化しちゃいけない空気感で、心臓がバクバクして息が苦しい。


「あっ…ち、違う。元彼じゃない」
「じゃあ誰?」
「…わ、からない」
「はぁ?」

向けられる目線が痛くて、思わず顔を背けると

「ダメ。こっち向いて」

顎に手が触れて、視線を戻される。

「頼む。話してくれ」
「っ…」
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