一夜の運命。
リビングへ行こうと、部屋の扉を開くと

ピアノの音がした。



ゆったりとしたテンポで、どこか儚い感じがして…

ゆっくりと足音を立てないように階段を降りる。




常夜灯の下、ピアノの前座るヒロ。
ピアノの上にウイスキーのボトルとグラス。


私に気付いていないようで、ピアノを弾き続けている。



あんないかつい見た目なのに…ピアノを弾く指が繊細で見惚れる、、、

先程までゆったりだった音色が低い音を出すから

ドキッとする。



「すごい…」


思わず言葉が漏れて…音が止まる。

ヒロがゆっくりこちらを見るから、またドキッとする。



「っ…ピアノ、弾けたんだ」
「…うん」


ウイスキーを一口飲むヒロ。

先程の事もあり、なんだか少し気まずくて…



「…隣座る?」
「あ、うん…」


いつもと同じ温度感で話すヒロに対してちょっと挙動不審になる私。

肩がぴったりくっつく距離。
じんわりと左腕に熱を感じる。
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