ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
そのわずか一秒後――。

二年B組の第3泳者がタッチした瞬間、海斗がスタート台から弾かれた。


ドォンッ!

プールサイドを揺るがすほどの重厚な踏み切り音。


褐色の肉体が宙を裂き、鋭利な矢となって水面を突き破る。

次の瞬間、プールを埋め尽くしていた歓声が、驚愕のどよめきによって呑み込まれた。


「な、なんだあのスピード……!?」

「水を……切り裂いてる……!」


海斗の泳ぎは、東堂のエレガントなフォームとは根底から異なっていた。

水泳のスプリンターとして全国レベルの限界領域で鍛え上げられた、獰猛にして極めて緻密な推進力。

鍛え抜かれた広背筋が強靭なバネとなって撓み、太い腕が容赦なく大量の水を後方へと掻き出す。

力強いドルフィンキックが爆発的な白波を巻き起こしていた。


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