ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
バシャァンッ!!

二人の指先が、ほぼ同時にタッチ板を叩きつけた。

一瞬の静寂。

電光掲示板のタイム表示が激しく点滅し、一番上に灯ったのは――『2年B組』の文字だった。

わずか〇・〇八秒差。大逆転の勝利。


「うおおおおおおっ!!」

「勝った! 神崎が東堂先輩に勝ったぞぉぉぉっ!!」


地響きのような大歓声と怒号が、聖華学園のプール全体を包み込んだ。

スタンドが揺れ、生徒たちが総立ちになって叫んでいる。

ゴーグルを頭に押し上げ、荒い息を吐きながらコースロープを掴んだ海斗の肩に、降り注ぐ初夏の陽光が誇らしげに輝いていた。

熱狂に沸き立つスタンドの生徒たちには目もくれず、海斗は真っ直ぐに夏凜を見上げた。

水滴を滴らせた逞しい腕が、力強く宙を切り裂く。

――そして、夏凜に向けて、誇らしげにグッと拳を突き出した。


夏凜の身体の内側で、心臓がトクンと跳ね、耳の奥まで熱い血が駆け巡る。

(帰ってきた!ウチのヒーローが帰ってきた!……でもヤバい……なにこれ!? あんな顔で見つめられて、あんなことされたら……ウチ、どうにかなっちゃうよ……!!)




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