ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
けれど、隣に座る海斗は呆れることもなく、ふっと目元を柔らかく崩して微笑んでいた。

その穏やかな笑顔は、水しぶきを切り裂いていた時の獰猛なスプリンターの姿とは対極にある、夏凜だけに見せる不器用な優しさに満ちていた。

「ああ、そうだな」


海斗は静かに頷くと、水から引き上げた濡れた足を揃え、プールサイドの冷たいコンクリートに両手を突いた。

そして――。

迷うようにわずかに震えた大きな手が、夏凜の膝の横へとゆっくりと伸びてきた。

夏凜が息を呑んだ、その瞬間。海斗の手のひらが、コンクリートの上に置かれていた夏凜の華奢な手の上に、そっと重ねられた。

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