ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
「今日のリレー、彼は見事だった。だが、僕が驚いたのは彼の泳ぎの速さだけじゃない」


東堂は組んだ長い脚を組み替え、静かに言葉を重ねる。


「ここ数日の彼の劇的な変貌ぶりだ。制服の抜け感を計算したミリ単位の着こなし、絶妙な位置で立ち上げられたセンターパート、そして自分の骨格を完全に理解した姿勢の矯正……。日陰に隠れていた彼が、一夜にしてあそこまで洗練されるはずがない。誰かが完璧なロジックで彼を導いた」


東堂の鋭利な観察眼が、夏凜の顔の筋肉のわずかな動きすら逃さず捉えていた。


「そして、今朝の昇降口で彼と視線を交わしていた君の立ち居振る舞い。……神崎くんをあそこまで磨き上げたプロデューサーは、君だね? 二ノ宮夏凜さん」

夏凜の喉が小さく鳴った。


美玲や妃菜だけでなく、この学園で最も美意識の高い人物にまで、すべてを見抜かれていた。


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