ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

7-2. ガラス越しの目撃

プールサイドに残された海斗は、放送が途切れたあとも、冷たいコンクリートの上で呆然と立ち尽くしていた。


右手のひらに残る、夏凜の華奢な指先の温もり。


触れ合った瞬間、確かに通い合っていたはずの熱気。


――後夜祭のダンス、もし相手が決まっていないなら、俺と踊ってくれないか。


喉元まで出かかり、無情な校内放送によって遮られてしまった言葉が、未練のように胸の奥で激しく渦巻いていた。


(……伝えなきゃダメだ)


海斗は濡れた体をタオルで乱暴に拭い、体操着から制服の白シャツへと素早く着替えた。
< 127 / 258 >

この作品をシェア

pagetop