ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
粗野で扱いやすい幼なじみの素材を使って、自らのプロデュース理論の正しさを証明し、生徒会という華やかな舞台へ駆け上がるための踏み台にされただけだとしたら。



(……あの夕暮れの時間も、全部嘘だったのか?)



さっきまでの記憶が、激しい猜疑心の濁流に呑み込まれていく。


茜色に染まるプールサイドで、水面に足を浸しながら交わした言葉。


夏凜が「勝ててよかった」と瞳を潤ませてくれた瞬間。


勇気を出して伸ばした海斗の手の上に、夏凜がそっと重ねてくれた、あの小さく華奢な指先の温もり。


それすらも――自分が疑念を抱かず、今日のリレーで東堂を倒すための起爆剤として、都合よく与えられた計算ずくの優しさだったのだろうか。


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