ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
第8話:歪み始めるスクールカースト
8-1. 美玲のアプローチ宣言
水泳大会の翌週、私立聖華学園は近づく学園祭と伝統の後夜祭プロムの話題で持ちきりになっていた。
昼休みの渡り廊下、中庭から吹き抜ける初夏の風が、夏凜の髪を揺らす。
だが、その足取りはいつもの軽快さを失い、どこか上の空だった。
生徒会長室で東堂から受けた熱烈なスカウト――「僕のスタイリストとして才能を貸してほしい」という言葉に、夏凜はその場で結論を出せず、保留にしたまま逃げるように部屋を後にしていた。
何より夏凜の心を重く塞いでいたのは、あの夕暮れ以降、海斗と言葉を交わしていないことだった。
プールサイドで重なり合った手の温もり、途切れてしまった約束の言葉。
その続きを確かめたいのに、胸の奥のプライドと恥ずかしさが邪魔をして、教室でもまともに視線を合わせられずにいた。
「――かのぴ! ちょっといい?」
中庭へ続く石畳のテラス席で、声をかけてきたのは美玲だった。
昼休みの渡り廊下、中庭から吹き抜ける初夏の風が、夏凜の髪を揺らす。
だが、その足取りはいつもの軽快さを失い、どこか上の空だった。
生徒会長室で東堂から受けた熱烈なスカウト――「僕のスタイリストとして才能を貸してほしい」という言葉に、夏凜はその場で結論を出せず、保留にしたまま逃げるように部屋を後にしていた。
何より夏凜の心を重く塞いでいたのは、あの夕暮れ以降、海斗と言葉を交わしていないことだった。
プールサイドで重なり合った手の温もり、途切れてしまった約束の言葉。
その続きを確かめたいのに、胸の奥のプライドと恥ずかしさが邪魔をして、教室でもまともに視線を合わせられずにいた。
「――かのぴ! ちょっといい?」
中庭へ続く石畳のテラス席で、声をかけてきたのは美玲だった。