ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
「こ、告白って……美玲、神崎くんを……?」


「そうよ」


美玲は腕を組み、潔く胸を張ってみせた。


「先週のリレー、見たでしょ? 東堂先輩を差し切ったあの神崎くんの泳ぎ、本気で痺れた。無口で不器用だけど、誰よりもまっすぐでストイックなところ……もう完全にウチのど真ん中なんだよね。水泳大会のあと、ずっとあいつのことばっかり考えちゃってさ」


「で、でも……美玲……!」


「かのぴ」


美玲は夏凜の肩にポンと優しく手を置き、まっすぐにその瞳を覗き込んできた。


「かのぴが神崎くんをプロデュースした理由、ウチも妃菜から聞いたよ。東堂先輩に認められるためのステップだったんでしょ? 実際、先輩から生徒会へ直々のスカウトが来たって、学年中で大騒ぎになってるし」


「ちょ、妃菜……!?」


夏凜が愕然として妃菜へ視線を向けると、妃菜は「事実でしょ〜?」と無邪気に首を傾げてみせた。


「だから邪魔しないように神崎君にも言っといた。彼、生徒会室の前にいたから」


「なんで?どうしてそんなこと言うの!?そんなの全然――」


違う、と叫びたかった。


海斗をプロデュースしたのは、東堂のためなんかじゃない。


世界でたった一人の初恋の相手を、あの暗い日陰から救い出したかっただけなのだと。

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