ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
海斗の低く沈んだ声が、夏凜の必死の弁解を冷酷に拒絶した。


「服の着こなしも、髪のセットも、教えていただいたことは感謝しています。でも、もう十分です。これ以上、俺に構わないでください」


海斗は一度も夏凜の目を見ることなく、すれ違いざまに背を向けた。


遠のく足音。その背中があまりにも遠く、冷たくて、夏凜の視界が一気に滲みそうになる。


プールサイドでの優しい時間も、自分のプロデュースの熱意も、すべて「踏み台の嘘」として切り捨てられてしまった悔しさと悲しみ。


泣き崩れそうになる胸の痛みを、夏凜の頑ななプライドが咄嗟に怒りへとすり替えてしまった。

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