ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜
「……立てるか?」


しばらくして、海斗がそっと身体を離し、夏凜の足元へと視線を落とした。

赤く腫れ上がった右足首は、まだ熱を帯びている。

海斗は階段の踊り場へと数歩下り、冷たい敷石の上に転がっていたピンヒールをそっと拾い上げた。


薄いハンカチで丁寧に埃を払い、自らのスラックスのポケットへと大切そうに収めると、夏凜の前で背を向けて深くしゃがみ込んだ。

「乗れよ、夏凜。おぶっていく」

「えっ……で、でも、重いし……ドレスもシワになっちゃうよ?」

「水泳で鍛えた体を舐めるな。お前一人くらい、羽毛みたいに軽い」


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