ファーストキスのプロデュース 〜昔フラれた幼なじみを最高の彼氏に育てる方法〜

12-2. お預けのファーストキス

学園の喧騒から離れた中庭の並木道は、白銀の月光が葉の隙間からこぼれ落ち、まるで二人だけの特設ランウェイのように静まり返っていた。

海斗の背中から伝わる確かな鼓動と、一歩ごとに揺れる心地よいリズム。

夏凜は海斗の首元に両腕を回したまま、そっと頬をその広い肩口へと預けていた。

冷えた夜風が火照った耳元を撫でていく。

先ほどまで胸を引き裂いていた絶望や猜疑心は嘘のように消え去り、代わりに全身を満たしているのは、かつてないほど濃密で甘やかな安心感だった。

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