あえかなる君へ 心からの愛を
SNSをチェックすると【無事に買えたー!】というコメントが多く、あーみゃも【嬉しい! みんなありがとう】と返している。
特に大きなトラブルもないようだった。
柊は、うーんと伸びをしてから頭の後ろで両手を組み、リラックスした様子で話しかけてくる。
「ひと安心だな。それにしても結構人気あるんだな、あーみゃって」
「そうだね。私もこの企画に携わるまで知らなかったけど、可愛くていい子よね」
「なんでか赤井さんを気に入ってるけど」
「そうそう! ハンプティ・ダンプティって、本気でこれからも絡むのかな?」
「どうだろね? 若い女の子の考えてることって、俺にはさっぱりわからん」
「あーみゃちゃん、私たちと一つしか違わないよ?」
「んー、じゃあ女の子のことは年齢に関係なく理解できん」
そう言うと柊はデスクに片肘をついて頭を支え、斜めに乙葉を見上げた。
「なあ、堀井はなんで彼氏作らないんだ?」
「モテないから」
「うそだよ。前にラウンジで告白されてただろ?」
「え、ちょっと! 何見てんのよ?」
「知らねえよ、コーヒー飲みに行ったら聞こえてきたんだよ。お前、速攻断ってたけどなんでだ? 相手の人、なかなかいい男だったじゃないか。営業部の人か?」
「……それって、どの人?」
「どのって、え!? お前、そんなにしょっちゅう告られてんの?」
驚いたように顔を上げる柊に、乙葉はそっぽを向く。
「別にしょっちゅうじゃないわよ。たまたま三人くらい立て続けにそういうことがあっただけ」
「モテモテじゃねえかよ」
「森住の方こそ、なんで彼女作らないの?」
「言っただろ? 女心がわかんないしめんどくさいからって。俺はいいからお前はどうなんだ?」
「私も似たようなもんかな」
「え、恋愛がめんどくさいって考える女、いるの?」
「ここにいる」
けれど柊は納得いかないとばかりに首をひねった。
「違う気がする。お前はさ、彼氏作った方がいいよ」
「どうしてよ?」
「雷とかハロウィンの日に一人でいるのが心配だから」
「……はい?」
「だって尋常じゃない怯え方だったぞ? ゾンビも恐縮してたじゃないか」
「まあね。高校の頃友だちに強引におばけ屋敷に連れて行かれた時、怖がりすぎて腰が抜けて『すみません、大丈夫ですか?』っておばけに抱き起こされたことある。それでさらに『ギャー!』って」
ははは! と柊はおかしそうに笑い始めた。
「困っただろうな、そのおばけ」
「うん、オロオロしてた。助けたいけど近づけない、みたいな。『申し訳ありません。入場料返金しますね』って言って、非常口から外に出させてもらった」
「どんだけー!? お前、ある意味最恐だわ」
「私、もう二度とおばけ屋敷には入らない。おばけの為にも」
「まあ、そうだな。けど彼氏と一緒に入ったら、か弱くて守ってあげたくなる女の子って印象になっていいんじゃないか?」
「そのレベルを超えていると思う」
確かに! と柊はお腹を抱えて笑い続ける。
「おっもしろいよな、堀井って。俺の周りでは『きれいで仕事もそつなくこなす憧れの女性』とか言ってる後輩いるけど、実物知ったらどうなるかな」
「ちょっと、実物って言い方どうなの?」
「ごめん、おもしろすぎて上手く言葉が出て来ない」
目尻に涙まで浮かべて笑う柊に、乙葉は呆れてため息をついた。
特に大きなトラブルもないようだった。
柊は、うーんと伸びをしてから頭の後ろで両手を組み、リラックスした様子で話しかけてくる。
「ひと安心だな。それにしても結構人気あるんだな、あーみゃって」
「そうだね。私もこの企画に携わるまで知らなかったけど、可愛くていい子よね」
「なんでか赤井さんを気に入ってるけど」
「そうそう! ハンプティ・ダンプティって、本気でこれからも絡むのかな?」
「どうだろね? 若い女の子の考えてることって、俺にはさっぱりわからん」
「あーみゃちゃん、私たちと一つしか違わないよ?」
「んー、じゃあ女の子のことは年齢に関係なく理解できん」
そう言うと柊はデスクに片肘をついて頭を支え、斜めに乙葉を見上げた。
「なあ、堀井はなんで彼氏作らないんだ?」
「モテないから」
「うそだよ。前にラウンジで告白されてただろ?」
「え、ちょっと! 何見てんのよ?」
「知らねえよ、コーヒー飲みに行ったら聞こえてきたんだよ。お前、速攻断ってたけどなんでだ? 相手の人、なかなかいい男だったじゃないか。営業部の人か?」
「……それって、どの人?」
「どのって、え!? お前、そんなにしょっちゅう告られてんの?」
驚いたように顔を上げる柊に、乙葉はそっぽを向く。
「別にしょっちゅうじゃないわよ。たまたま三人くらい立て続けにそういうことがあっただけ」
「モテモテじゃねえかよ」
「森住の方こそ、なんで彼女作らないの?」
「言っただろ? 女心がわかんないしめんどくさいからって。俺はいいからお前はどうなんだ?」
「私も似たようなもんかな」
「え、恋愛がめんどくさいって考える女、いるの?」
「ここにいる」
けれど柊は納得いかないとばかりに首をひねった。
「違う気がする。お前はさ、彼氏作った方がいいよ」
「どうしてよ?」
「雷とかハロウィンの日に一人でいるのが心配だから」
「……はい?」
「だって尋常じゃない怯え方だったぞ? ゾンビも恐縮してたじゃないか」
「まあね。高校の頃友だちに強引におばけ屋敷に連れて行かれた時、怖がりすぎて腰が抜けて『すみません、大丈夫ですか?』っておばけに抱き起こされたことある。それでさらに『ギャー!』って」
ははは! と柊はおかしそうに笑い始めた。
「困っただろうな、そのおばけ」
「うん、オロオロしてた。助けたいけど近づけない、みたいな。『申し訳ありません。入場料返金しますね』って言って、非常口から外に出させてもらった」
「どんだけー!? お前、ある意味最恐だわ」
「私、もう二度とおばけ屋敷には入らない。おばけの為にも」
「まあ、そうだな。けど彼氏と一緒に入ったら、か弱くて守ってあげたくなる女の子って印象になっていいんじゃないか?」
「そのレベルを超えていると思う」
確かに! と柊はお腹を抱えて笑い続ける。
「おっもしろいよな、堀井って。俺の周りでは『きれいで仕事もそつなくこなす憧れの女性』とか言ってる後輩いるけど、実物知ったらどうなるかな」
「ちょっと、実物って言い方どうなの?」
「ごめん、おもしろすぎて上手く言葉が出て来ない」
目尻に涙まで浮かべて笑う柊に、乙葉は呆れてため息をついた。