あえかなる君へ 心からの愛を
クリスマスなのに
「森住の部屋って、急に私が入っても平気なの?」
車中で訊かれて柊は、うっ……と言葉に詰まる。
今朝出てきた時の光景を頭に思い浮かべると、それはもう悲惨だった。
ソファに部屋着を脱ぎっぱなし、テーブルにも書類やパソコンを広げっぱなし、キッチンのシンクは食器を放り込んだままだ。
「あー、堀井。うちのマンション、二階がライブラリーになってるから、そこで待っててくれるか?」
「えっ、すごい。うん、行ってみたい」
「よし、そうしよう」
マンションの地下駐車場に着くと、ハイヒールの乙葉に手を貸してエレベーターで二階に上がる。
「ここで待ってて」
「うん。すごいね、ふかふかの絨毯にゆったりしたソファで本棚もたくさん。なんだかワクワクする」
「じゃあ、すぐに戻るから」
「どうぞごゆっくりー」
乙葉は既にダークブラウンの本棚に目を奪われている。
柊はエレベーターで自分の部屋に向かうと、急いで寝室に駆け込んだ。
クローゼットを開けて、手当たり次第にシャツとスーツをベッドに広げる。
乙葉の装いを思い出し、同じようにネイビーのスーツに黒のシャツ、ネクタイはワインレッドを合わせた。
髪はサイドを後ろに流してスプレーで固め、前髪に指を入れてクシュッと軽くする。
(取り敢えずこれでいいか)
カシミヤのコートを手に、革靴を履いて玄関を出た。
エレベータで再び二階に下りると、重厚なホテルのロビーのような雰囲気の中、ソファに座って本に目を落としている乙葉がいた。
そこだけ光が差しているような、まるで別世界にいるような不思議なオーラをまとって。
「……堀井?」
そっと声をかけると、乙葉が顔を上げて優しく微笑む。
その笑顔が自分に向けられている、そう思っただけで柊の胸の奥がジンとしびれた。
車中で訊かれて柊は、うっ……と言葉に詰まる。
今朝出てきた時の光景を頭に思い浮かべると、それはもう悲惨だった。
ソファに部屋着を脱ぎっぱなし、テーブルにも書類やパソコンを広げっぱなし、キッチンのシンクは食器を放り込んだままだ。
「あー、堀井。うちのマンション、二階がライブラリーになってるから、そこで待っててくれるか?」
「えっ、すごい。うん、行ってみたい」
「よし、そうしよう」
マンションの地下駐車場に着くと、ハイヒールの乙葉に手を貸してエレベーターで二階に上がる。
「ここで待ってて」
「うん。すごいね、ふかふかの絨毯にゆったりしたソファで本棚もたくさん。なんだかワクワクする」
「じゃあ、すぐに戻るから」
「どうぞごゆっくりー」
乙葉は既にダークブラウンの本棚に目を奪われている。
柊はエレベーターで自分の部屋に向かうと、急いで寝室に駆け込んだ。
クローゼットを開けて、手当たり次第にシャツとスーツをベッドに広げる。
乙葉の装いを思い出し、同じようにネイビーのスーツに黒のシャツ、ネクタイはワインレッドを合わせた。
髪はサイドを後ろに流してスプレーで固め、前髪に指を入れてクシュッと軽くする。
(取り敢えずこれでいいか)
カシミヤのコートを手に、革靴を履いて玄関を出た。
エレベータで再び二階に下りると、重厚なホテルのロビーのような雰囲気の中、ソファに座って本に目を落としている乙葉がいた。
そこだけ光が差しているような、まるで別世界にいるような不思議なオーラをまとって。
「……堀井?」
そっと声をかけると、乙葉が顔を上げて優しく微笑む。
その笑顔が自分に向けられている、そう思っただけで柊の胸の奥がジンとしびれた。