あえかなる君へ 心からの愛を
ショッピングモールに着いて車を停めると、二人でぶらぶらとお店を見て回る。
「クリスマスツリーがきれいだね」
「そうだな。けど、やっぱり人が多い。堀井、気をつけろ」
柊は乙葉の肩を抱いてかばうように歩いた。
「森住、誕生日プレゼントに何か買ってあげようか?」
「何言ってる? クリスマスだぞ」
「だって森住の誕生日じゃない」
「そうだけど……、別にいい」
「そんな寂しいこと言ってると、あっという間におじいちゃんになっちゃうよ? じゃあ何か探しに行こう。どんなお店があるかな?」
乙葉がふらりと離れて行きそうになり、柊は慌ててそばに寄る。
しばらくして、乙葉が柊の腕に手を置いて見上げてきた。
「見てあのお店。とってもすてき!」
「ん? どれ」
「こっちこっち!」
急に笑顔を向けられ、柊はドキッとしながら乙葉に手を引かれる。
そこはまるで宇宙にさまよいこんだように、様々な月と星をモチーフにしたグッズが並んでいた。
「すごいね、見たことないようなものがたくさん! このブックカバーなんて、魔法事典みたいじゃない?」
そう言って乙葉は目を輝かせる。
「そうだな。星座のポスターも随分本格的だ」
「今日、森住に星のことを色々教えてもらったから、その記念に何か贈らせて。何がいいかな」
乙葉はじっくりと店内を見て回り「ひゃあ、このノートすてき! いやいや、森住のプレゼントを選ぶんだって。あっ、マスキングテープ! きれいだなあ。って、森住は使わないから」とひとり言を忙しく口にする。
たっぷり時間をかけてから「森住、AかB好きな方を答えて」と唐突に言う。
「はい? AとBって、何だよ?」
「いいから。直感で答えて」
「じゃあ、A」
「そうなんだー。わかった、買って来る」
なんだ?と首をひねると、乙葉は「こっち見ないで!」と頬をふくらませて睨んできた。
はいはい、と答えて乙葉に背を向け、商品を見ながら待つ。
するとふときれいなタンブラーが目についた。
コロンとしたフォルムで、濃いブルーのグラデーションが夜空を思わせる。
そこにおとめ座が描かれ、スピカにはスワロフスキーが埋め込まれていた。
(へえ、きれいだな)
手に取って目の高さに持ち上げると、近くにいたスタッフの女性が「そちらは贈り物用にラッピングできますよ」と声をかけてきた。
「じゃあ、お願いします。あそこにいる彼女に贈りたいので」
「わかりました。こっそり包んできますね」
「ありがとう」
そっと目をやると、乙葉はレジにいるスタッフに「クリスマスじゃないんです。誕生日のプレゼントなんです」と話している。
どうやら『Merry Christmas』と書かれたラッピングペーパーを使われたらしい。
スタッフが「失礼いたしました」と恐縮してラッピングし直している。
その間に、先ほどの女性スタッフが柊のところに戻って来た。
「お待たせいたしました。こちらが箱に入れてラッピングしたお品物です。お渡し用のペーパーバッグがこちら。ポケットに入りますか?」
乙葉に見つからないよう配慮してくれたのだろう。ペーパーバッグは折りたたんだまま渡してくれる。
「コートの内ポケットに何とか入りそうです。ちょっとポコッとするけど」
「ふふっ、うまくごまかしてくださいね」
「ありがとう。支払いはこれで」
レジに行かなくてもいいようにお札で会計し、スタッフがお釣りを持って来てくれた。
「サプライズ、成功しますように」
「ははっ、がんばります」
その時「お待たせ」と言って乙葉が戻って来た。
「何を買ったのかはあとでのお楽しみね!」
「ああ、楽しみにしてる」
スタッフの彼女に目礼してから、柊は乙葉と肩を並べて店を出た。
「クリスマスツリーがきれいだね」
「そうだな。けど、やっぱり人が多い。堀井、気をつけろ」
柊は乙葉の肩を抱いてかばうように歩いた。
「森住、誕生日プレゼントに何か買ってあげようか?」
「何言ってる? クリスマスだぞ」
「だって森住の誕生日じゃない」
「そうだけど……、別にいい」
「そんな寂しいこと言ってると、あっという間におじいちゃんになっちゃうよ? じゃあ何か探しに行こう。どんなお店があるかな?」
乙葉がふらりと離れて行きそうになり、柊は慌ててそばに寄る。
しばらくして、乙葉が柊の腕に手を置いて見上げてきた。
「見てあのお店。とってもすてき!」
「ん? どれ」
「こっちこっち!」
急に笑顔を向けられ、柊はドキッとしながら乙葉に手を引かれる。
そこはまるで宇宙にさまよいこんだように、様々な月と星をモチーフにしたグッズが並んでいた。
「すごいね、見たことないようなものがたくさん! このブックカバーなんて、魔法事典みたいじゃない?」
そう言って乙葉は目を輝かせる。
「そうだな。星座のポスターも随分本格的だ」
「今日、森住に星のことを色々教えてもらったから、その記念に何か贈らせて。何がいいかな」
乙葉はじっくりと店内を見て回り「ひゃあ、このノートすてき! いやいや、森住のプレゼントを選ぶんだって。あっ、マスキングテープ! きれいだなあ。って、森住は使わないから」とひとり言を忙しく口にする。
たっぷり時間をかけてから「森住、AかB好きな方を答えて」と唐突に言う。
「はい? AとBって、何だよ?」
「いいから。直感で答えて」
「じゃあ、A」
「そうなんだー。わかった、買って来る」
なんだ?と首をひねると、乙葉は「こっち見ないで!」と頬をふくらませて睨んできた。
はいはい、と答えて乙葉に背を向け、商品を見ながら待つ。
するとふときれいなタンブラーが目についた。
コロンとしたフォルムで、濃いブルーのグラデーションが夜空を思わせる。
そこにおとめ座が描かれ、スピカにはスワロフスキーが埋め込まれていた。
(へえ、きれいだな)
手に取って目の高さに持ち上げると、近くにいたスタッフの女性が「そちらは贈り物用にラッピングできますよ」と声をかけてきた。
「じゃあ、お願いします。あそこにいる彼女に贈りたいので」
「わかりました。こっそり包んできますね」
「ありがとう」
そっと目をやると、乙葉はレジにいるスタッフに「クリスマスじゃないんです。誕生日のプレゼントなんです」と話している。
どうやら『Merry Christmas』と書かれたラッピングペーパーを使われたらしい。
スタッフが「失礼いたしました」と恐縮してラッピングし直している。
その間に、先ほどの女性スタッフが柊のところに戻って来た。
「お待たせいたしました。こちらが箱に入れてラッピングしたお品物です。お渡し用のペーパーバッグがこちら。ポケットに入りますか?」
乙葉に見つからないよう配慮してくれたのだろう。ペーパーバッグは折りたたんだまま渡してくれる。
「コートの内ポケットに何とか入りそうです。ちょっとポコッとするけど」
「ふふっ、うまくごまかしてくださいね」
「ありがとう。支払いはこれで」
レジに行かなくてもいいようにお札で会計し、スタッフがお釣りを持って来てくれた。
「サプライズ、成功しますように」
「ははっ、がんばります」
その時「お待たせ」と言って乙葉が戻って来た。
「何を買ったのかはあとでのお楽しみね!」
「ああ、楽しみにしてる」
スタッフの彼女に目礼してから、柊は乙葉と肩を並べて店を出た。