あえかなる君へ 心からの愛を
赤ちゃんの一ヶ月健診が無事に終わったと報告を受け、乙葉は柊と一緒に週末に紗理奈たちのマンションを訪れることになった。
「こんにちは、いらっしゃい」
出産後まだ一ヶ月とは思えないほど、紗理奈は以前と同じすらりとしたスタイルで明るく出迎えてくれる。
「こんにちは、お邪魔します。紗理奈さん、体調はいかがですか?」
「もうすっかり平気よ。夜中のミルクも彼が代わってくれるから、しっかり睡眠も取れてるし」
「そうなんですね。改めて、ご出産おめでとうございます」
「ありがとう!」
リビングに通されると、ベビーベッドの横で赤ちゃんを抱いている君島がいた。
「おっ、二人ともいらっしゃい」
「お邪魔してます。わあ、君島さんすっかりパパですね」
「まあね。抱っこしてると癒やされるから、寝てるのに抱き上げちゃって紗理奈に叱られる」
「ふふっ、そうなんですね」
赤ちゃんはぱっちりと目を開けてじっと君島を見つめている。
「可愛い! パパのことわかるんですね」
「そう、って言いたいところだけど、誰が抱っこしてもじっと見るんだよね」
「あはは! そうなんですか?」
「乙葉ちゃんも抱っこしてやって」
「え、いいんでしょうか」
「もちろん」
それでは、と乙葉は洗面所で念入りに手洗いしてから、そっと赤ちゃんを抱かせてもらった。
「ひゃあ、どうしよう。可愛い、ふわふわ。あっ、目が合っちゃった」
「だろ? 誰でもいいんだよ。将来が心配だな」
「ふふ、もうお嫁に行く時の心配ですか?」
「……乙葉ちゃん、それ禁句。俺、落ち込むから」
なーに言ってんだか、と紗理奈が横やりを入れる。
「その前に、パパうざいとかパパ臭いとか言われるフェーズがあるわよ」
「紗理奈さん、君島さんに限ってそんなことありませんから」
「だといいんだけど」
苦笑いする紗理奈に、赤ちゃんの顔を覗き込んでいた柊が尋ねる。
「ところで紗理奈さん、赤ちゃんのお名前は?」
「えっとね、紗理奈の紗と彩るでさあやって名前なの」
それを聞いて乙葉はパッと笑顔になった。
「紗彩ちゃん! 可愛いですね、まさにお嬢様のお名前」
「ありがとう。それよりほら、お茶にしましょうよ」
「はい、お手伝いします」
乙葉は赤ちゃんを君島の腕に託して紗理奈とキッチンに行き、手土産を差し出した。
「紗理奈さん、よかったらこれどうぞ。甘い物は母乳が詰まってしまうかと思ってゼリーにしました」
「ありがとう、嬉しい! ゼリーなら大丈夫なの。早速いただこうかな」
二人で紅茶を淹れてからリビングに戻ると、今度は柊が赤ちゃんを抱っこしていた。
「ちょっとあの、すごい緊張するんですけど」
「ははっ、柊、肩がガチガチだぞ」
「だってもう、どうしていいやら」
「練習しておけ。柊だって近い将来、パパになるんだろうから」
紗理奈も「そうそう」と笑いながら、紅茶とゼリーをテーブルに並べた。
「さてと、お茶にしましょうか」
四人でソファに座り、ベビーベッドの赤ちゃんに目をやりつつおしゃべりを楽しむ。
「紗理奈さん、君島さん、改めましてこれは広報課とDX本部のメンバーからのお祝いです。まずはお花と色紙」
「わあ、ありがとう。嬉しい! こんなにたくさんメッセージを書いてくれたのね」
「あとでじっくり読んでくださいね。それからこれも」
「え、なあに? まあ、これ!」
紗理奈はベビーブランドのペーパーバッグを見るなり目を輝かせた。
「開けてみてください」
「うん!」
ワクワクした様子でラッピングを解く紗理奈を、君島が優しく見つめる。
「あっ、これ! すごく可愛くてずっとほしかったものなの」
「はい。君島さんにうかがいました」
「ありがとう、とっても嬉しい!」
紗理奈は君島にも「ありがとう」とお礼を言う。
「どういたしまして。紗彩を産んでくれてありがとう、紗理奈」
微笑み合う二人に、乙葉も幸せな気分になった。
「こんにちは、いらっしゃい」
出産後まだ一ヶ月とは思えないほど、紗理奈は以前と同じすらりとしたスタイルで明るく出迎えてくれる。
「こんにちは、お邪魔します。紗理奈さん、体調はいかがですか?」
「もうすっかり平気よ。夜中のミルクも彼が代わってくれるから、しっかり睡眠も取れてるし」
「そうなんですね。改めて、ご出産おめでとうございます」
「ありがとう!」
リビングに通されると、ベビーベッドの横で赤ちゃんを抱いている君島がいた。
「おっ、二人ともいらっしゃい」
「お邪魔してます。わあ、君島さんすっかりパパですね」
「まあね。抱っこしてると癒やされるから、寝てるのに抱き上げちゃって紗理奈に叱られる」
「ふふっ、そうなんですね」
赤ちゃんはぱっちりと目を開けてじっと君島を見つめている。
「可愛い! パパのことわかるんですね」
「そう、って言いたいところだけど、誰が抱っこしてもじっと見るんだよね」
「あはは! そうなんですか?」
「乙葉ちゃんも抱っこしてやって」
「え、いいんでしょうか」
「もちろん」
それでは、と乙葉は洗面所で念入りに手洗いしてから、そっと赤ちゃんを抱かせてもらった。
「ひゃあ、どうしよう。可愛い、ふわふわ。あっ、目が合っちゃった」
「だろ? 誰でもいいんだよ。将来が心配だな」
「ふふ、もうお嫁に行く時の心配ですか?」
「……乙葉ちゃん、それ禁句。俺、落ち込むから」
なーに言ってんだか、と紗理奈が横やりを入れる。
「その前に、パパうざいとかパパ臭いとか言われるフェーズがあるわよ」
「紗理奈さん、君島さんに限ってそんなことありませんから」
「だといいんだけど」
苦笑いする紗理奈に、赤ちゃんの顔を覗き込んでいた柊が尋ねる。
「ところで紗理奈さん、赤ちゃんのお名前は?」
「えっとね、紗理奈の紗と彩るでさあやって名前なの」
それを聞いて乙葉はパッと笑顔になった。
「紗彩ちゃん! 可愛いですね、まさにお嬢様のお名前」
「ありがとう。それよりほら、お茶にしましょうよ」
「はい、お手伝いします」
乙葉は赤ちゃんを君島の腕に託して紗理奈とキッチンに行き、手土産を差し出した。
「紗理奈さん、よかったらこれどうぞ。甘い物は母乳が詰まってしまうかと思ってゼリーにしました」
「ありがとう、嬉しい! ゼリーなら大丈夫なの。早速いただこうかな」
二人で紅茶を淹れてからリビングに戻ると、今度は柊が赤ちゃんを抱っこしていた。
「ちょっとあの、すごい緊張するんですけど」
「ははっ、柊、肩がガチガチだぞ」
「だってもう、どうしていいやら」
「練習しておけ。柊だって近い将来、パパになるんだろうから」
紗理奈も「そうそう」と笑いながら、紅茶とゼリーをテーブルに並べた。
「さてと、お茶にしましょうか」
四人でソファに座り、ベビーベッドの赤ちゃんに目をやりつつおしゃべりを楽しむ。
「紗理奈さん、君島さん、改めましてこれは広報課とDX本部のメンバーからのお祝いです。まずはお花と色紙」
「わあ、ありがとう。嬉しい! こんなにたくさんメッセージを書いてくれたのね」
「あとでじっくり読んでくださいね。それからこれも」
「え、なあに? まあ、これ!」
紗理奈はベビーブランドのペーパーバッグを見るなり目を輝かせた。
「開けてみてください」
「うん!」
ワクワクした様子でラッピングを解く紗理奈を、君島が優しく見つめる。
「あっ、これ! すごく可愛くてずっとほしかったものなの」
「はい。君島さんにうかがいました」
「ありがとう、とっても嬉しい!」
紗理奈は君島にも「ありがとう」とお礼を言う。
「どういたしまして。紗彩を産んでくれてありがとう、紗理奈」
微笑み合う二人に、乙葉も幸せな気分になった。