あえかなる君へ 心からの愛を
仮装したメンバーはどうやらあーみゃのインフルエンサー仲間らしく、皆でメインテーブルを囲んで写真を撮る。
その後、もう席には戻れなくなった乙葉にしがみつかれながら、柊はプロジェクターで動画を上映した。
それはあーみゃと赤井がメルヘン城でウェディングフォトを撮影した時のもの。
柊はデータのコピーをもらって、この日の為に編集していた。

「わあ、すてきなお城。緑に囲まれた丘の上にあって、本当に海外みたいだね」

柊の背中からそっと顔を覗かせて乙葉が呟く。

「ウェディングドレスとタキシードの二人、とっても絵になる! いいわねえ。あ、バルコニーでの撮影もあるんだ。ひょっとしてプロポーズのシーン? おおっ、シャンデリアのホールで舞踏会まで?」

食い入るように眺めつつ、乙葉は柊の背中をギュッと掴んだままだ。

(スーツ、しわしわになってるだろうな)

苦笑いを浮かべるも、柊は背中にくっついた乙葉が可愛くて仕方ない。

「あっ、見て、アリスの衣装だ! さすがはあーみゃちゃん、実写映画みたいに完璧。赤井さんもこれまた完璧なハンプティ・ダンプティ! お二人、色んな意味でお似合いよね」

動画が終わると拍手しながら「すてき! 森住の編集、とってもよかったよ」と明るく笑って顔を覗き込んできた。

「おお、ありがと」

乙葉の笑顔にドキッとしていると、どうやらモンスターたちの姿が目に入ったのか、乙葉がまた柊の背中の後ろに引っ込んだ。

「はははっ、可愛いな。ヤドカリかよ? そう言えば赤い服着てるしな」
「なあに? 何か言った?」
「いや、別に」

結婚パーティは終始明るく和やかに、柊も乙葉の反応を楽しみつつ、無事にお開きとなった。
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