妹に婚約者を奪われたので、冷酷公爵様のもとで自由に生きます~と思ったら、なぜか溺愛されています~
あまり領地から出てこないので、王宮で何度か姿を見かけたことがあるが、直接話したことはない。
ましてや我が家とは接点がないはずなのだが、なぜここにいらっしゃるのだろう?
「……あの」
恐る恐る声をかけると、男性は顔を上げる。
「失礼ですが、エーデルシュタイン公爵閣下でいらっしゃいますか?」
「ああ。アルベール・エーデルシュタインだ」
青い瞳が真っ直ぐに私を捉える。
私は慌てて背筋を伸ばし、淑女の礼をとった。
「私はクロスフォード侯爵家の娘でアリシア・クロスフォードと申します。我が家の図書室に何か御用がおありでしょうか?」
「いや。君に用があって来た」
「私に?」
考えてみたが、公爵閣下との接点が思い当たらない。
そもそも私は社交界で目立つ存在ではなかった。婚約者だったヴィクターのために人脈を広げようとしてはいたが、自分は常に彼の一歩後ろにいたのだ。
「そうだ。アリシア嬢、君はヴィクター・アディントンとの婚約を解消したそうだな」
私はビクリと肩を震わせる。
婚約者を妹に奪われたという噂はもう社交界に広まっているのだろうか。
「……はい。お恥ずかしい話ですが、アディントン伯爵令息との婚約は解消することになりました」
「恥じる必要はないだろう」
「え?」
俯きがちにポツポツと答える私に返ってきた言葉に目を瞬いた。
「婚約解消は君一人の責任ではないのだろう? そうであれば、恥じる必要はあるまい」
ましてや我が家とは接点がないはずなのだが、なぜここにいらっしゃるのだろう?
「……あの」
恐る恐る声をかけると、男性は顔を上げる。
「失礼ですが、エーデルシュタイン公爵閣下でいらっしゃいますか?」
「ああ。アルベール・エーデルシュタインだ」
青い瞳が真っ直ぐに私を捉える。
私は慌てて背筋を伸ばし、淑女の礼をとった。
「私はクロスフォード侯爵家の娘でアリシア・クロスフォードと申します。我が家の図書室に何か御用がおありでしょうか?」
「いや。君に用があって来た」
「私に?」
考えてみたが、公爵閣下との接点が思い当たらない。
そもそも私は社交界で目立つ存在ではなかった。婚約者だったヴィクターのために人脈を広げようとしてはいたが、自分は常に彼の一歩後ろにいたのだ。
「そうだ。アリシア嬢、君はヴィクター・アディントンとの婚約を解消したそうだな」
私はビクリと肩を震わせる。
婚約者を妹に奪われたという噂はもう社交界に広まっているのだろうか。
「……はい。お恥ずかしい話ですが、アディントン伯爵令息との婚約は解消することになりました」
「恥じる必要はないだろう」
「え?」
俯きがちにポツポツと答える私に返ってきた言葉に目を瞬いた。
「婚約解消は君一人の責任ではないのだろう? そうであれば、恥じる必要はあるまい」