妹に婚約者を奪われたので、冷酷公爵様のもとで自由に生きます~と思ったら、なぜか溺愛されています~
 手紙にはこう書かれていた。

『アリシア・クロスフォード嬢
 今度の王宮舞踏会で君のエスコートをする者はもう決まっているだろうか?
 まだ決まっていなければ、私にエスコートを務めさせてはもらえないだろうか?
 君とともに出席したいと考えている。
 無理にとは言わない。
 君の返事を聞かせてほしい
 アルベール・エーデルシュタイン』

「エスコート? 公爵閣下が私の?」

 思わず口に出してしまったのを耳聡くアリンが聞いていた。

「まあ! もしかしてエーデルシュタイン公爵閣下からのお誘いですか? それはぜひお受けしませんと! そうですわ。王宮舞踏会では公爵閣下のお色に合わせた宝石をつけてはいかがでしょう? 確かサファイヤのネックレスがあったはずです」

 アリンはいそいそとドレスルームに行ってしまった。

「えっ! ちょ、ちょっと! アリン?」

 公爵閣下が我が家に求婚しにいらっしゃった日、家族はアディントン伯爵邸を訪ねていったらしく留守だったらしい。

 だから、図書室に行くことを知っていたアリンが公爵閣下を案内したらしいのだ。
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