妹に婚約者を奪われたので、冷酷公爵様のもとで自由に生きます~と思ったら、なぜか溺愛されています~
 それにしても公爵閣下は今まで女性をエスコートしてきたことがない。

 一緒に王宮舞踏会に出席すれば、周囲から私たちの関係についてあれこれ噂されるかもしれない。

 それにエイミーのエスコートは当然ヴィクターが務めるので、顔を合わせることになるだろう。

「……どうしましょう?」

 手紙を胸元に寄せ、私は誰にともなく呟いた。

 少し不安ではあるが、公爵閣下と一緒に王宮舞踏会へ行くことをうれしいと思っている自分がいるのだ。

「この気持ちは何なのかしら?」

 よく分からない。今までに感じたことがないから。

「そうだわ。お返事を書かないと!」

 私は公爵閣下に返事を書くべく机に向かい、ペンを手に取った。

『アルベール・エーデルシュタイン公爵閣下
 お誘いをいただきありがとうございます。
 差し支えなければ、ぜひエスコートをお願いいたします
 王宮舞踏会の日にお会いできることを楽しみにしております
 アリシア・クロスフォード』

 書き終えてから、私は文面の読み直しをした。

「簡潔すぎたかしら? もう少し丁寧に書いたほうがいいのかしら?」

 考え始めるとキリがない。

「うん。これでいいわ」

 封筒に便箋を収めながら、胸がドキドキする。

 王宮舞踏会の日が待ち遠しい。
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