妹に婚約者を奪われたので、冷酷公爵様のもとで自由に生きます~と思ったら、なぜか溺愛されています~
「そのドレスよく似合っている」

「ありがとうございます」

「そういった感じのものが君の好みなのか?」

「はい。自分の好きなものを選んでみました」

「そうか」

 公爵閣下に褒められたのがうれしくて、自然と笑みが浮かんだ。

「では行くか」

 差し出された腕に手を添える。

「はい」

 エーデルシュタイン公爵家の家紋が刻まれている馬車に乗り、公爵閣下とともに王宮へ向かった。

◇◇◇

 舞踏会会場である王宮の大広間には、すでに大勢の貴族たちで賑わっていた。

 両親とエイミーは私より先に会場へ向かったので、どこかにいると思われるが、わざわざ探す気はない。

 天井から吊るされた豪華なシャンデリアが輝き、会場は光に包まれていた。

 楽団が奏でる優雅な音楽が響いて、とても良い雰囲気だ。

 しかし、公爵閣下と私が姿を現した途端、周囲の視線が集まる。

「ご覧になって。エーデルシュタイン公爵が女性をエスコートしているわ」

「あの方はクロスフォード侯爵令嬢のアリシア嬢ではありませんか?」

「ああ。アディントン伯爵令息と婚約を解消した方ね」

 ひそひそと囁く声が聞こえてくる。

 予想はしていたけれど、やはり噂の的になっているらしい。

「気にする必要はない」

 公爵閣下が添えている私の手にそっと力を込めた。

「……はい」

「君は何も恥じることなどしていないのだからな」

 私は頷き、堂々と顔を上げた。
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