妹に婚約者を奪われたので、冷酷公爵様のもとで自由に生きます~と思ったら、なぜか溺愛されています~

11.話し合いの場

 エーデルシュタイン公爵家から正式な結婚の申し込みがあってから、数日後。

 我が家にアルベール様からの手紙が届いた。

 父へ呼ばれて執務室へ向かうと、机の上には見覚えのある封蝋が押された封筒が置いてある。

「アリシア。エーデルシュタイン公爵から手紙が届いている」

「アルベール様からですか?」

 父は封蝋を外すと、手紙の内容にざっと目を通す。

「ああ。両家で結婚に関する話し合いの場を設けたいそうだ。エーデルシュタイン公爵家に招待したいと書かれてある」

 手紙を読みながら、父は感心したように息を吐く。

「自ら話し合いの場を設けるとは、実に手際がいいな」

「話し合いにはお父様もいらっしゃるのですか?」

「当然だ。エレノアも同行する。貴族の結婚は家同士の利害関係だからな。当人同士の気持ちだけで決められるものではない」

 エレノアというのは母の名前だ。話し合いには母も同行するらしい。

 父の言うとおり、貴族の結婚は利害関係で結ばれることが多い。私も貴族の娘なので、その辺りは理解している。おそらくその辺りはアルベール様は気にしていないと思われるが……。

「はい。分かりましたわ」

 アルベール様のお屋敷へ招待され伺う。そう考えただけで妙にソワソワとした気分になる。
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