トラスト・ファンド・ベイビー 〜信託金目当てだったはずの金髪碧眼な資産家俳優に、私の絵ごと狙われています〜
「私、今度は夢を叶えて会いに行くから待ってて」
初心なアビーはリアムに言った。
彼女なりのアイラブユーだと受け取ったリアムは、その約束に頷き、翌日リズと共に空港までアビーを見送った。
実のところ、この時は約束を形式的に捉え、今度の休みを利用してアビーに会いに日本へ行こうと気軽に考えていた。
しかし、入れ替わるように帰国したアレックスの言葉で、リアムの楽観的思考が一時ショートする事になる。
『あっちに格好いい子が居たんだけどね。告白したら玉砕よ?この私が!その彼、アオイが好きなんですって。アメリカでちょっかい出されてるかもねーなんて言ったら、帰国したら告白するって焦ってたわ』
アレックス曰く、その日本の男とアビーは幼馴染で家族ぐるみで仲が良いらしい。
その関係もあってアレックスはホームステイ中に出会ったそうだ。
あれこれと世話を焼いて日本を案内してくれる姿に惚れたが、しかし蓋を開けてみれば蚊帳の外だったという。
『写真で見たけどアオイも美人だし、二人はお似合いかもね。彼の長年の片想いが叶うといいけど、ダメだったらつけ入る隙があるかしら?』
こんなものはただの恋愛の愚痴で悔し紛れの言葉だったが、しかし恋多きモテ女であるアレックスからの情報は、リアムの心を静かに揺らした。
――もしも日本に行って、アビーが日本の幼馴染を選んでいたら、どうする?
過った疑念は見逃せないリスクだ。
非日常というホームステイから、現実に戻った時どうなるだろう。
振られるなんてことは、絶対にあってはならない。
リアムは愛を強請られる事はあっても、自分から愛を乞う事など、生まれてこのかたしたことが無い。
そして、する気もなかった。
気になる子が出来れば話しかけて微笑み、仲良くなると自然と向こうが熱を上げてくれる。
それがリアム・ギルフォードだ。
心を操るのは得意で、いつだって思い通りに事が運ぶ。
しかし今回は一週間だけ夏を共に過ごした相手。
キスには応えてくれたが、アビーはリアムを好きだと言ったわけではない。
ここで下手に動いて、万が一にも肩透かしを食らえば自分のプライドに傷がつく。
連絡先は交換したものの、ちまちまと様子を窺うような姑息な手も使いたくなかった。
そこで考えた末に、一つの答えに辿り着いた。
――そうだ。僕らには約束がある。
アビーは自ら、夢を叶えてリアムに会いに行くと言っていた。
ならばそれを待とう。
彼女なら出来る。
アビーは声を上げることが出来るダイヤモンドなのだから。
その後は、アレックスの恋愛事情を遮断したためアビーが日本の彼とどうなったは分からなかったが、しかし年月を重ねる中でリアムはシグナルのようなものを見つけた。
それはSNSに上がるライブペイントだ。
彼女は毎年一度は必ず、動画を撮ってUPしていた。
それはまるで、あの夏を忘れてはいないという証明だった。
初心なアビーはリアムに言った。
彼女なりのアイラブユーだと受け取ったリアムは、その約束に頷き、翌日リズと共に空港までアビーを見送った。
実のところ、この時は約束を形式的に捉え、今度の休みを利用してアビーに会いに日本へ行こうと気軽に考えていた。
しかし、入れ替わるように帰国したアレックスの言葉で、リアムの楽観的思考が一時ショートする事になる。
『あっちに格好いい子が居たんだけどね。告白したら玉砕よ?この私が!その彼、アオイが好きなんですって。アメリカでちょっかい出されてるかもねーなんて言ったら、帰国したら告白するって焦ってたわ』
アレックス曰く、その日本の男とアビーは幼馴染で家族ぐるみで仲が良いらしい。
その関係もあってアレックスはホームステイ中に出会ったそうだ。
あれこれと世話を焼いて日本を案内してくれる姿に惚れたが、しかし蓋を開けてみれば蚊帳の外だったという。
『写真で見たけどアオイも美人だし、二人はお似合いかもね。彼の長年の片想いが叶うといいけど、ダメだったらつけ入る隙があるかしら?』
こんなものはただの恋愛の愚痴で悔し紛れの言葉だったが、しかし恋多きモテ女であるアレックスからの情報は、リアムの心を静かに揺らした。
――もしも日本に行って、アビーが日本の幼馴染を選んでいたら、どうする?
過った疑念は見逃せないリスクだ。
非日常というホームステイから、現実に戻った時どうなるだろう。
振られるなんてことは、絶対にあってはならない。
リアムは愛を強請られる事はあっても、自分から愛を乞う事など、生まれてこのかたしたことが無い。
そして、する気もなかった。
気になる子が出来れば話しかけて微笑み、仲良くなると自然と向こうが熱を上げてくれる。
それがリアム・ギルフォードだ。
心を操るのは得意で、いつだって思い通りに事が運ぶ。
しかし今回は一週間だけ夏を共に過ごした相手。
キスには応えてくれたが、アビーはリアムを好きだと言ったわけではない。
ここで下手に動いて、万が一にも肩透かしを食らえば自分のプライドに傷がつく。
連絡先は交換したものの、ちまちまと様子を窺うような姑息な手も使いたくなかった。
そこで考えた末に、一つの答えに辿り着いた。
――そうだ。僕らには約束がある。
アビーは自ら、夢を叶えてリアムに会いに行くと言っていた。
ならばそれを待とう。
彼女なら出来る。
アビーは声を上げることが出来るダイヤモンドなのだから。
その後は、アレックスの恋愛事情を遮断したためアビーが日本の彼とどうなったは分からなかったが、しかし年月を重ねる中でリアムはシグナルのようなものを見つけた。
それはSNSに上がるライブペイントだ。
彼女は毎年一度は必ず、動画を撮ってUPしていた。
それはまるで、あの夏を忘れてはいないという証明だった。