トラスト・ファンド・ベイビー 〜信託金目当てだったはずの金髪碧眼な資産家俳優に、私の絵ごと狙われています〜
「私の価値か……」

いよいよ自分たちは別世界の住人だと知らしめられた気がして、葵は振り返った。

「リアムなりに考えてくれてありがとう。確かにあの頃は好きだったし、会えたのは正直嬉しかった。でもそれとこれとは別。本当に迷惑だから、もう私に関わらないで」

今度は鏡越しではなく、直接瞳を覗き込んで告げた。

「リアムはなんでも出来るんだから、こんな無駄なことしてないで契約婚は母国ですべきだよ」

そして葵は立ち上がる。

「待ってくれ、アビー」

リアムが咄嗟に肩に触れてきたが、葵は身を捩り拒絶した。

「触らないで。サンタフェの思い出が壊れそう」
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