トラスト・ファンド・ベイビー 〜信託金目当てだったはずの金髪碧眼な資産家俳優に、私の絵ごと狙われています〜
『彼女が僕の恋人だよ。結婚を前提に付き合ってもらっているから、そのつもりでいて欲しい』
『はじめまして。新島葵と申します』
リアムは両親について非常にフレンドリーだと話しており、葵を目の前にした二人は話に聞かされていた通り、にこにこと穏やかに迎えてくれた。
『あなたがリアムが言ってた人ね!似合ってるわよ、そのドレス。願いが叶って良かったじゃないリアム』
『よろしく、アオイ。息子は妻に似て強引だが大丈夫かい?振り回されそうになったら私が話を聞くからね』
『あら、誰が強引ですって?』
そんな気さくな雰囲気で始まった会話は、葵が想像していたよりもずっと和やかだった。
『そういえば、ジオはどこなんだ?アレックスと来ているはずだろ』
不意にリアムが彼の両親に訊ねた。
ジオはシルバーチャリティーの一足先にアメリカに帰っており、パーティーには恋人を同伴すると言っていた。
その相手がリアムの親友であるアレックスだと明かされた時は驚いたものだ。
アレックスとはホームステイのあと、一時期連絡をとっていたが実際に彼女と対面するのは初めてで、少し緊張しつつも楽しみにしている。
『さぁ、見かけてないわね。遅れているのかしら……どうしたの?』
リアムの母が答えるとリアムは眉間に皺を刻んだ。
『祖父さんに一人で来るよう呼ばれているんだ。会ってる間、葵にはジオとアレックスと一緒に居てもらうつもりだった。どうせあいつも来るだろ?会わせたくない』
――あいつ、とは誰の事だろう。
『なら私達が一緒に居るわよ』
提案されたが、しかしリアムは緩やかに首を振った。
『そういうわけにもいかないだろ?主催なんだから。もう少し待つよ』
言ってリアムは葵の腰を抱き寄せる。
それからリアムの両親と別れ、二人で会場内を挨拶して周った。
そしてメインの広間とは別の小さな部屋に案内される。
そこには美術品がいくつも飾られており、今日開催するオークションのためのものらしい。
落札されて集まった金は慈善団体に寄付されるそうだ。
葵はその美術品を眺めながら言った。
『リアム、私なら大丈夫だよ。ジオやアレックスを見つけたら合流するから』
『駄目だ。二人を待つよ』
『それじゃお祖父さんを待たせることになるでしょう。安心して、子供じゃないんだから』
『でも、君を置いて行くわけにはいかない』
リアムは頑なに拒否し葵の傍を離れようとしない。
しかしふと固い声が背後に響いた。
『彼女の方がよっぽど常識があるらしい』
振り返ると、リアムと同じ碧い瞳の白髪の紳士が居た。
『はじめまして。新島葵と申します』
リアムは両親について非常にフレンドリーだと話しており、葵を目の前にした二人は話に聞かされていた通り、にこにこと穏やかに迎えてくれた。
『あなたがリアムが言ってた人ね!似合ってるわよ、そのドレス。願いが叶って良かったじゃないリアム』
『よろしく、アオイ。息子は妻に似て強引だが大丈夫かい?振り回されそうになったら私が話を聞くからね』
『あら、誰が強引ですって?』
そんな気さくな雰囲気で始まった会話は、葵が想像していたよりもずっと和やかだった。
『そういえば、ジオはどこなんだ?アレックスと来ているはずだろ』
不意にリアムが彼の両親に訊ねた。
ジオはシルバーチャリティーの一足先にアメリカに帰っており、パーティーには恋人を同伴すると言っていた。
その相手がリアムの親友であるアレックスだと明かされた時は驚いたものだ。
アレックスとはホームステイのあと、一時期連絡をとっていたが実際に彼女と対面するのは初めてで、少し緊張しつつも楽しみにしている。
『さぁ、見かけてないわね。遅れているのかしら……どうしたの?』
リアムの母が答えるとリアムは眉間に皺を刻んだ。
『祖父さんに一人で来るよう呼ばれているんだ。会ってる間、葵にはジオとアレックスと一緒に居てもらうつもりだった。どうせあいつも来るだろ?会わせたくない』
――あいつ、とは誰の事だろう。
『なら私達が一緒に居るわよ』
提案されたが、しかしリアムは緩やかに首を振った。
『そういうわけにもいかないだろ?主催なんだから。もう少し待つよ』
言ってリアムは葵の腰を抱き寄せる。
それからリアムの両親と別れ、二人で会場内を挨拶して周った。
そしてメインの広間とは別の小さな部屋に案内される。
そこには美術品がいくつも飾られており、今日開催するオークションのためのものらしい。
落札されて集まった金は慈善団体に寄付されるそうだ。
葵はその美術品を眺めながら言った。
『リアム、私なら大丈夫だよ。ジオやアレックスを見つけたら合流するから』
『駄目だ。二人を待つよ』
『それじゃお祖父さんを待たせることになるでしょう。安心して、子供じゃないんだから』
『でも、君を置いて行くわけにはいかない』
リアムは頑なに拒否し葵の傍を離れようとしない。
しかしふと固い声が背後に響いた。
『彼女の方がよっぽど常識があるらしい』
振り返ると、リアムと同じ碧い瞳の白髪の紳士が居た。