大正初恋浪漫譚ー突然、陸軍少尉の婚約者になりましたが、どうやら彼は私に恋をしていたようですー
「小春ったら」
麻友子がまた笑い出す。
夢見がちだと言われるかもしれない。
それは、私だって分かっている。
けれど。
「私は、好きになった人と結婚したいな」
気づけば、そんな言葉が口をついて出ていた。
麻友子が、ぱちりと目を瞬かせる。
「小春らしいわね」
「そう?」
「ええ。小春は昔から、思ったことをすぐ口にするんだもの」
「だって、自分の一生に関わることよ? 誰と結婚するかくらい、自分で決めたいじゃない」
私は胸を張った。
新しい時代を生きる女性は、自分の考えを持ち、自分の人生を選んでいく。
そんな生き方に、私は憧れていた。