15歳、純愛。
私の誕生日会から3日後。
「光ちゃ~ん!数学教えて~!」
「この後バイトだから、帰ってきたらでいい?」
いつも通りに光ちゃんの家に上がり込んだ。
バイトの日は勘弁してよって言ってたのに、なんだかんだ私のお願い聞いてくれるのが光ちゃんなんだ。
「そっか。…でも、さすがに疲れちゃうよね?そしたらまた明日来るよ。」
「大丈夫だよ、塾も明日から年末年始の休みに入るから。」
カバンに教材を入れて、黒のダッフルコートに袖を通した光ちゃんはにこりと微笑んだ。
無理してないかな?疲れてないかな…。
そんなこと思いながらも、やっぱり私は嬉しくなった。
「わかった、じゃあここで待ってるね。ありがとう!」
「は~い、いってきます。いい子でお留守番しててね。」
玄関で靴を履く光ちゃんを私は見送った。
「いってらっしゃい、気を付けてね!」
ドアが最後まで閉まる瞬間まで。
光ちゃんの姿が見えなくなるまで私は目一杯手を振った。
光ちゃんはいつも通りに優しい眼差しで、にこりと笑いながら手を振り返してくれた。
―――これが私の中の記憶の、最後の光ちゃんの姿になるなんて。