恋のエンドロールでキスをして【小説版】
※

──五年後。

「──デザインサークルやってまーす」 

「──こちら演劇サークル、興味ないですか〜」

この春に入学した大学は芸術系大学とあって、演劇サークルにデザイン服飾サークルと華やかなイメージのサークルばかりだ。

(でも私が入りたいのは、映画サークル一択だよね) 

あちこちで、繰り広げられているサークルの勧誘を気にしつつ、私はデニムパンツにお気に入りの裾にフリルのついた黄色のニットを揺らしながら、颯爽と歩いて行く。

目指すは北館の視聴覚室。
北館は本館に次いで古いが、数年前に視聴覚室が全面リニューアルされている。

(バイト先も決まったし、そろそろサークルも探したいけど……)

怜と別れてから五年。
元から勉強は苦手だった私だが、本格的に脚本を学びたくて猛勉強し、東京で有名なエブリ芸術大学・メディア総合学部・メディア映像演出コースに通い始めたのだ。

他県の実家から大学は遠く離れているため、パン屋でアルバイトをしながら一人暮らしをしている。

一人暮らしは予想以上にお金がかかるため、少しでも両親の負担を減らすべく、三月下旬に越してきてすぐにバイトを探した。
ちょうど住んでいるアパートのすぐ近くのパン屋さんで雇ってもえることになり、週二の勤務をはじめて三週間だ。

バイトが決まれば、すぐにでも映画サークルを探して入るつもりだったが、思った以上に新生活になれるのに精一杯で、まだ見学にはひとつも行けていない。
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