恋のエンドロールでキスをして【小説版】
気ばかり焦るけれど、そんな時『焦んなくても夢は逃げないから』とよく言われた怜の言葉を脳裏に浮かべては、深呼吸をしている。

「焦らなくても大丈夫……」

深く息を吸い込んで吐き出した空は雲ひとつなく、真っ青で迷いが吹き飛んでいく。

(絶対、脚本家になる夢を叶えるんだ……!)

(いつか……怜に会えたら、胸を張れるように)


怜と別れてからすぐにLINEは繋がらなくなった。
それでもどうしても声が聞きたくて、諦められなくて一度だけ電話をかけたことがあったが、結局番号が変えられていた為、声を聞くことも出来なかった。
この五年間、彼とは音信不通だ。

それでも映画作りを目指している限り、きっとまた怜に会えるような気がして、その時は少しでも成長した自分で会えたらいいなと思っている。

「って、まずは早速出た課題の資料探しに視聴覚室行かないと」

出された課題は在学生や卒業生の制作した映画を視聴した感想文および、自分なりの考察を踏まえた構成プロットの提出だ。

(先輩たちの作った映画見れるなんて楽しみだなぁ……)

諦め悪く、チラチラとサークルの勧誘を見ながら歩く足を早めようとした時だった。

目の端に、映画サークルの看板が飛び込んできた。

「あ……っ」
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