恋のエンドロールでキスをして【小説版】
私の最も好きな映画である『ハナと夢の国』のDVDが、ここにならあるかもしれないと思ったから。
古いファンタジー映画ですでに廃盤になっているが、どうしても見たい私はここ数年、リサイクルショップなども細かくチェックしているが今だになかなか見つからない。

(事前に電話で聞いても良かったけど……一度、この図書館来てみたかったし)

はやる気持ちを押さえながら、窓口で利用手続きを済ませると、DVDコーナーがある二階へ上がる。

帰宅部の私には関係ないが、まだ部活動の時間ということもあってか、私以外に利用客は見当たらない。

私はすぐにDVDが陳列されているハ行の前に行き、上から順番に視線を走らせていく。

「ええっと……」

大きな図書館で改装されたこともあって、思った以上に豊富な品揃えだ。

見落とさないように人差し指でひとつずつDVDの背表紙をなぞりながら確認していく。

そして身を屈めて棚の三段目の確認に入った時だった。

「ハナ……ハナと夢の国……、あ……っ!」

目当てのタイトルが目に飛び込んできて思わず声をあげると、私は目を輝かせた。

「やった!」

すぐに手を伸ばし、『ハナと夢の国』を棚から取り出そうとすれば、ふいに左から伸びてきた大きな手のひらに指先が触れた。

「え……」

すぐに視線を上げると、目の前には見知らぬ男子中学生が立っている。

(うわ……イケメン……)
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