木の下の奏者たち― 桜の木がつないだ声 ―
そもそも、自分とこうしているのも、体に負担をかけているのではないだろうか。
「無理しないでくださいね」
楓はそう声をかけるけど、かなたは「大丈夫ですよ」としか言わない。
それに楓自身も、無理させていると分かっていながら、本当は……。
かなたの声が聞きたかった。
◇
次の日、かなたはやはり来なかった。
その翌日、大雪が降った。
ニュースでは、しばらく雪が降り続くと伝えていた。
いつも小雨程度なら、傘を差して林へ向かう。けれど、大雪となると……。
それでも、この前のかなたの様子が心配だった。
楓は学校から帰ると、傘を差し、すぐに林へ向かった。
林の地面は、ほとんど雪に覆われていた。
雪が止めば、きっと美しい景色が広がるだろうが、降り続ける雪はただ視界と足元が悪いだけで、景色を楽しむ余裕なんてなかった。
かじかんだ指先で、楓は木に触れた。
「こ、こんにちは」
「こんにちは」
声が返ってきた。
(よかった……)
楓はほっとした。
「今日は、体調がいいんですか」
「はい。今朝は、いつもより体が軽かったんです」
「よかった、です」
「ありがとう。楓さんはどうですか?」
「私は、元気ですよ」
「学校、どうでした?」
「今日は英語のテスト、があって、難しくて……」
少し話したところで、かなたに言葉を遮られた。
「無理しないでくださいね」
楓はそう声をかけるけど、かなたは「大丈夫ですよ」としか言わない。
それに楓自身も、無理させていると分かっていながら、本当は……。
かなたの声が聞きたかった。
◇
次の日、かなたはやはり来なかった。
その翌日、大雪が降った。
ニュースでは、しばらく雪が降り続くと伝えていた。
いつも小雨程度なら、傘を差して林へ向かう。けれど、大雪となると……。
それでも、この前のかなたの様子が心配だった。
楓は学校から帰ると、傘を差し、すぐに林へ向かった。
林の地面は、ほとんど雪に覆われていた。
雪が止めば、きっと美しい景色が広がるだろうが、降り続ける雪はただ視界と足元が悪いだけで、景色を楽しむ余裕なんてなかった。
かじかんだ指先で、楓は木に触れた。
「こ、こんにちは」
「こんにちは」
声が返ってきた。
(よかった……)
楓はほっとした。
「今日は、体調がいいんですか」
「はい。今朝は、いつもより体が軽かったんです」
「よかった、です」
「ありがとう。楓さんはどうですか?」
「私は、元気ですよ」
「学校、どうでした?」
「今日は英語のテスト、があって、難しくて……」
少し話したところで、かなたに言葉を遮られた。