呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
「俺はね、料理を作る人になりたかったんだ」
「え?」
「ちょうど君がお姫様になりたいと思っていたのと同じような年ごろからかな」
大正から百年以上続いている老舗の呉服店に生まれた彼は、当然のように家業を継ぐつもりでいたのだと思っていた。
「料理って素材の組み合わせで無限のバリエーションがあるだろう? 自分で工夫しながら作った料理を誰かが食べてくれて、さらにおいしいと言ってくれるのがうれしくて。進学を考える年ごろになるまではずっと料理に夢中だった」
「そうだったんですね……」
じゃあ柊真さんは、本当は料理の道に進みたかったのを諦めて、仕方なく花桐に入ったの? そんな風には見えなかったけれど……。
平社員の私には、副社長という雲の上の人と一緒に仕事をする機会はない。
けれど一度だけ、彼が接客するのを間近で見たことがある。店長が副社長のアシスタントに入るときに、勉強になるからと私も入れてくれたのだ。
柊真さんは着物についてはもちろん、それ以外の知識も豊富で、お客様と着物、それぞれの魅力を何倍も引き出していった。それはまるで魔法をかけているかのように見えた。
柊真さんが出ている雑誌やネット記事はいつもチェックしているけれど、彼は常に前向きな言葉で会社や呉服について語っている。
あれは本音ではなく作られたものだったの?
「え?」
「ちょうど君がお姫様になりたいと思っていたのと同じような年ごろからかな」
大正から百年以上続いている老舗の呉服店に生まれた彼は、当然のように家業を継ぐつもりでいたのだと思っていた。
「料理って素材の組み合わせで無限のバリエーションがあるだろう? 自分で工夫しながら作った料理を誰かが食べてくれて、さらにおいしいと言ってくれるのがうれしくて。進学を考える年ごろになるまではずっと料理に夢中だった」
「そうだったんですね……」
じゃあ柊真さんは、本当は料理の道に進みたかったのを諦めて、仕方なく花桐に入ったの? そんな風には見えなかったけれど……。
平社員の私には、副社長という雲の上の人と一緒に仕事をする機会はない。
けれど一度だけ、彼が接客するのを間近で見たことがある。店長が副社長のアシスタントに入るときに、勉強になるからと私も入れてくれたのだ。
柊真さんは着物についてはもちろん、それ以外の知識も豊富で、お客様と着物、それぞれの魅力を何倍も引き出していった。それはまるで魔法をかけているかのように見えた。
柊真さんが出ている雑誌やネット記事はいつもチェックしているけれど、彼は常に前向きな言葉で会社や呉服について語っている。
あれは本音ではなく作られたものだったの?