呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
「ごちそうさまでした。本当においしかったです」
「そう言ってもらえてよかった。料理はいい息抜きになるんだ。でも食べてくれる人がいなくて物足りなかったから、色々と感想をもらえてうれしかったよ」
「食べたい人ならいくらでもいるんじゃないですか?」

 それこそ大行列ができてもおかしくない。

 首を傾げたら、柊真さんがニッコリときれいな笑みを浮かべる。

「勘違いされたら困るからね」
「あ……」

 なるほど。『勘違いするな』――ですか。

 普通こんなハイスぺイケメンに手料理をふるまわれたら、大抵の女性は『自分に気がある』と勘違いするだろう。プロ級の腕前で胃袋をがっちり掴まれた後に、『そんなつもりはなかった』と現実を突きつけられて玉砕する女性たちが続出するのが目に見える。

 私が柊真さんの手料理を食べられたのは、火傷に対する彼の責任感からだ。『それ以外の何物でもないから変な期待を抱くな』とくぎを刺さるのも理解できる。

「わかりました。胸に留めておきます」
「ありがとう。そうしてもらえると助かるよ」

 薄茶色の長いまつ毛に縁どられたアーモンドアイが、ふわりと緩む。優美な微笑みに心臓が甘く高鳴りそうになるのを、下唇をギュッと噛んでこらえた。
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