呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
『あっ、いえ、お、お構いなく!』
『遠慮しないで。ひとりじゃ食べきれないほどあるから、正直手伝ってもらえると助かるんだ』

 本来なら知らない男性のお弁当に手を付けるなんてとんでもないとわかっているのに、あまりにおいしそうなお弁当から目を離せない。

 捨てるのはもったいないよね……。

『本当にいいんですか?』

 おずおずと視線を持ち上げると、彼は『どうぞ』と微笑んだ。瞬間、私は目の前の男性が出会ったことがないほど美麗な容貌をしているのに気づいた。

 公園に来たときは空いているベンチにまっしぐらで、その後はお腹の音を聞かれた羞恥で相手の顔なんて直視できるわけがない。そしてついさっきまで、私はお弁当にくぎ付けだった。

 けれど気づいてしまった今、とんでもなく美麗な容姿に圧倒される。

 白い肌に薄茶色の髪、彫りの深い日本人離れした顔。着ているのはそんじょそこらのサラリーマンでは着こなせそうにない上等な三つ揃えスーツで、びっくりするほど長い脚がベンチから伸びている。

 まるで雑誌から抜け出したモデルか外国の映画俳優のような容姿に、羞恥とは違うなにかで全身が熱くなった。

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