呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
 私が呉服業界に入りたいと思ったのは、着物が日本古来のドレスだと思ったからだ。
 おとぎ話のプリンセスにはなれないというのは、思春期の頃にはもうわかっていたけれど、それでもきれいなドレスへの憧れは薄れなかった。

 けれど一五二センチという背の低さと凹凸の控えめな体形、丸顔に丸い目という日本人らしい平坦な顔立ち。自分にはドレスは似合わないと悟った。

 いいんだもん。寸胴の方が着物は似合うんだから。

 ドレスを着る機会なんて人生で何度もないけれど、着物ならそんなことはない。さすがに十二単は無理だけれど、振袖は何度か着る機会があるし、大正ロマンな小紋(こもん)と袴(はかま)やアンティーク着物もいい。

 花桐呉服は会社支給の呉服を着て販売をする。デザインも多種多様で、毎日着物が着られるだけでも楽しくて仕方がない。もちろんお客様の着物や小物を見立てるのもやりがいがある。

 花桐呉服は大手ながらアットホームな社風で、皆和気あいあいとしていて仲もよい。販売にノルマはないが、売り上げがよい店舗や社員には褒賞が出たりするためやりがいがあり、私も就職してこの一年、大変ながらも楽しく働かせてもらっている。
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