呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
「店長、ご迷惑をおかけいたしました。これ、よかったら皆さんで召し上がってください」
「あら、わざわざありがとう。火傷はもういいの?」
「はい。おかげさまでお医者様から完治のお墨付きをいただきました」
明日から出勤できると話すと、店長がホッとした顔になった。応援スタッフが入っているとは聞いていたけれど、やはり大変だったのだと申し訳なく思う。
「明日から、これまでの分も精いっぱいがんばりますのでよろしくお願いいたします」
「頼りにしているわよ」
じゃあこれで、と店を出ようとしたところで、ふとさっきのお客さんのことを思い出した。
「先ほど奥様と一緒に素敵なお嬢様が出ていかれるのを見ましたが、あの方はどなたですか?」
何気なく尋ねると、店長がキョロキョロと周りを見回してから、私の方へ顔を寄せてきた。
「これは極秘なんだけど。さっきのお嬢さん、副社長の許嫁だって」
「え……」
頭を思いきりハンマーで殴られたような衝撃に襲われた。
「奥様がそうおっしゃっていたから間違いないわ」
その後も店長が色々言っていたが、ショックが大きくて頭に入ってこない。ぼうっとした頭で挨拶もそこそこに店を出る。
柊真さん、そういう人はいないって……。
ああ、そうか。彼はそんなことはひと言も言っていない。私が『私を自宅に入れるなんて、恋人の方が嫌な気持ちになりますよ』と言ったのに対して『そんな人はいない』と答えただけだ。たしかに許嫁なら〝恋人〟ではない。
それに、両家が認めた許嫁なら立場は盤石だ。ケガ人の世話くらいで目くじらを立てる必要もないのだろう。だから彼は『許嫁は嫌な気持ちにはなるような人ではない』という意味で言ったのかもしれない。それを私が勝手に〝パートナー〟がいないと勘違いしたのだ。
「あら、わざわざありがとう。火傷はもういいの?」
「はい。おかげさまでお医者様から完治のお墨付きをいただきました」
明日から出勤できると話すと、店長がホッとした顔になった。応援スタッフが入っているとは聞いていたけれど、やはり大変だったのだと申し訳なく思う。
「明日から、これまでの分も精いっぱいがんばりますのでよろしくお願いいたします」
「頼りにしているわよ」
じゃあこれで、と店を出ようとしたところで、ふとさっきのお客さんのことを思い出した。
「先ほど奥様と一緒に素敵なお嬢様が出ていかれるのを見ましたが、あの方はどなたですか?」
何気なく尋ねると、店長がキョロキョロと周りを見回してから、私の方へ顔を寄せてきた。
「これは極秘なんだけど。さっきのお嬢さん、副社長の許嫁だって」
「え……」
頭を思いきりハンマーで殴られたような衝撃に襲われた。
「奥様がそうおっしゃっていたから間違いないわ」
その後も店長が色々言っていたが、ショックが大きくて頭に入ってこない。ぼうっとした頭で挨拶もそこそこに店を出る。
柊真さん、そういう人はいないって……。
ああ、そうか。彼はそんなことはひと言も言っていない。私が『私を自宅に入れるなんて、恋人の方が嫌な気持ちになりますよ』と言ったのに対して『そんな人はいない』と答えただけだ。たしかに許嫁なら〝恋人〟ではない。
それに、両家が認めた許嫁なら立場は盤石だ。ケガ人の世話くらいで目くじらを立てる必要もないのだろう。だから彼は『許嫁は嫌な気持ちにはなるような人ではない』という意味で言ったのかもしれない。それを私が勝手に〝パートナー〟がいないと勘違いしたのだ。