呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
「たまには桜でも見ながら弁当を食べようと思ったら、やけに熱い視線が飛んできてさ。視線の先が弁当箱の中でちょっと笑った」

「うっ」と声が漏れた。第一印象から食いしん坊がばれていたとは……。

 自分の食い意地のひどさを改めて思い知る。

「食い意地が張っていてあきれられただろうと思っていました」
「まさか。『このお弁当を食べたら、どんなに疲れていてもすぐに元気になれそう』――そんなふうに言ってもらえたのが本当にうれしくて、料理を再開したんだ。そしたら不思議と仕事の方も順調に進むようになった。きっとうまい具合にガス抜きができるようになって、肩に入っていた無駄な力が抜けたんだろうな」
「お……お役に立ててよかったです」

 私の食い意地が、誰かの役に立つ日が来るなんて思わなかった。

「でもそれだけで……」
「好きになったなんて信じられない?」

 濁した後の言葉を、一言一句違(たが)わず言い当てられた。驚いて目を見開くと、彼が「ははっ」と笑う。

「こう言うと自信過剰なやつみたいで嫌なんだけど、俺の顔よりお弁当を先に見た人は初めてだったんだ」
「えっ」

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