呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
***
「本当に申し訳ない」
スーツ姿の副社長がフローリングに両ひざをついて、頭を深々と下げた。
「ふっ、副社長! やめてくださいっ、顔を上げて……!」
悲鳴混じりの私の声に、彼がゆっくりと顔を上げる。申し訳なさげに伏せたまつげは透きとおるような薄い茶色で、白い肌に落ちた影まで絵画のように美しい。
副社長の日本人離れした容姿は、英国人とのクオーターである社長と、スウェーデン人で金髪碧眼美人の奥様との間に生まれた、西洋人寄りのハーフだからだ。
まるでおとぎ話の王子様のような外見を持っている彼が、三十歳という若さで副社長を務めているのは、なにも社長の息子だからというわけではない。
入社当初は一般社員と同じように販売員として店頭に立っていた彼は、歴代一位の販売実績を更新し続け、最速で店長に昇進した。
店長に就いた店は必ず売り上げトップになり、瞬く間に本社営業戦略室長、商品開発部長と駆け上がった。
そして一年前。満を持して副社長に就任したという。
彼の発案で始めた新たな事業は軒並み大ヒットし、呉服業界という厳しい市場の中で、花桐呉服は売り上げを伸ばしている。
今日のように社内にいるときは三つ揃えのスーツ姿だけれど、メディアの取材やパーティなど対外的な仕事には、花桐家の家紋でありわが社の店章でもある『花桐紋』の入った羽織袴の正装で臨む。西洋人のような外見に和装というギャップが話題を呼び、まるでタレントのように世間で騒がれている。
国内のみならず海外からも注目を浴びはじめ、自社だけでなく呉服業界の新星として注目を集めている呉服会の王子様なのだ。
「本当に申し訳ない」
スーツ姿の副社長がフローリングに両ひざをついて、頭を深々と下げた。
「ふっ、副社長! やめてくださいっ、顔を上げて……!」
悲鳴混じりの私の声に、彼がゆっくりと顔を上げる。申し訳なさげに伏せたまつげは透きとおるような薄い茶色で、白い肌に落ちた影まで絵画のように美しい。
副社長の日本人離れした容姿は、英国人とのクオーターである社長と、スウェーデン人で金髪碧眼美人の奥様との間に生まれた、西洋人寄りのハーフだからだ。
まるでおとぎ話の王子様のような外見を持っている彼が、三十歳という若さで副社長を務めているのは、なにも社長の息子だからというわけではない。
入社当初は一般社員と同じように販売員として店頭に立っていた彼は、歴代一位の販売実績を更新し続け、最速で店長に昇進した。
店長に就いた店は必ず売り上げトップになり、瞬く間に本社営業戦略室長、商品開発部長と駆け上がった。
そして一年前。満を持して副社長に就任したという。
彼の発案で始めた新たな事業は軒並み大ヒットし、呉服業界という厳しい市場の中で、花桐呉服は売り上げを伸ばしている。
今日のように社内にいるときは三つ揃えのスーツ姿だけれど、メディアの取材やパーティなど対外的な仕事には、花桐家の家紋でありわが社の店章でもある『花桐紋』の入った羽織袴の正装で臨む。西洋人のような外見に和装というギャップが話題を呼び、まるでタレントのように世間で騒がれている。
国内のみならず海外からも注目を浴びはじめ、自社だけでなく呉服業界の新星として注目を集めている呉服会の王子様なのだ。