呉服王子のギャップがメロすぎです!~料理上手な御曹司に胃袋ごと捕まりました~
「俺がいきなりドアを開けたばかりに、中川さんが火傷を――」
「副社長のせいではありません。病院で十分に手当をしていただきましたので、もう大丈夫ですから」
この数時間の間に何度このやり取りをしただろう。王子様のように美麗な男性――しかも片想いの相手――に、目の前で土下座をされる私の気持ちにもなってほしい。
なぜ副社長である彼が給湯室に?という疑問は、病院の待ち時間に彼が説明をしてくれた。
母親である奥様が知り合いを連れて来店するというので、彼が接客を担当することになったそうだ。副社長室のある十五階から降りてきたところで、ついでに給湯室に寄ってお茶を運ぼうと思ったらしい。本店社員は閉店直後で忙しいだろうからと、気を利かせてくれたようだ。そういう気さくで細かな配慮ができるところも、彼の人気のひとつである。
しかしながら、運悪く私がドアを開けるタイミングと重なり、今回の事故が起こってしまったのだ。
「お医者様も痕は残らないだろうと言っていましたので、もう気に病まれないでください」
私が手間を惜しまずドアを開けてから盆を運べばこうはならなかったので、副社長のせいではない。それなのに彼は、私の火傷を念入りに流水で冷やした後、病院へと連れていってくれた。
「副社長のせいではありません。病院で十分に手当をしていただきましたので、もう大丈夫ですから」
この数時間の間に何度このやり取りをしただろう。王子様のように美麗な男性――しかも片想いの相手――に、目の前で土下座をされる私の気持ちにもなってほしい。
なぜ副社長である彼が給湯室に?という疑問は、病院の待ち時間に彼が説明をしてくれた。
母親である奥様が知り合いを連れて来店するというので、彼が接客を担当することになったそうだ。副社長室のある十五階から降りてきたところで、ついでに給湯室に寄ってお茶を運ぼうと思ったらしい。本店社員は閉店直後で忙しいだろうからと、気を利かせてくれたようだ。そういう気さくで細かな配慮ができるところも、彼の人気のひとつである。
しかしながら、運悪く私がドアを開けるタイミングと重なり、今回の事故が起こってしまったのだ。
「お医者様も痕は残らないだろうと言っていましたので、もう気に病まれないでください」
私が手間を惜しまずドアを開けてから盆を運べばこうはならなかったので、副社長のせいではない。それなのに彼は、私の火傷を念入りに流水で冷やした後、病院へと連れていってくれた。