その溺愛、予想外につき。

*第9話 帰り道、ふたりの本音

レッスンが終わる頃には、外はすっかり暗くなっていた。

窓の向こうには、街の明かりがぽつぽつと浮かんでいる。
スタジオの中に残っていたメンバーたちも、ひとり、またひとりと帰り支度を始めていた。

「ふわ……じゃなくて、涼」

るかが、わざとらしく言い直す。

「今日、足大丈夫?」

「もう平気」

「本当に?」

「本当」

少しだけ強く答えると、るかはじっと私の足元を見た。

「じゃあ、駅まで歩ける?」

「歩けるよ」

「そっか」

そう言ったのに、るかは帰る気配を見せなかった。

私は不思議に思って、首をかしげる。

「るかは帰らないの?」

「帰るよ。涼と一緒に」

「え?」

「足、まだ痛いんでしょ」

「だから平気だって」

「はいはい。平気な人は、さっきから右足かばわない」

また見抜かれていた。
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