未来に続く物語
それからも変わらない毎日の中で、仕事と引っ越しの準備で慌ただしくなりながらも、休みの日には都心部に出掛け、二人で家具を選んで揃えた。
瞬く間に時が過ぎ去り、大通りはクリスマスに彩られ、道路脇には雪が積もっていた。
二人で繁華街を歩いていても、黒服が声を掛けてきて、彼はそのたびに「はいはい。ごくろーさん」と言って、軽くあしらった。
そこから駅の近くの洒落た宝飾店に足を運ぶと、店内を歩きながら、おもむろに彼が言った。
「どれがいい?」
思わず狼狽えていると、彼は平坦な顔でこちらを向き、『あ』とでも言うように口を開いたかと思うと、続けて「正式的なやつ」と言った。
首を振って答えると、彼は「なんで」と尋ねてきて、困りながらも返した。
「今してるのがいい」
すると彼は軽く笑い、「なら、お揃いのバングルにするか」と言って、選び始めた。
展示台には宝石のついたものから、ロゴの入ったものまで並んでいて、値段を見ても目が眩みそうになった。ふと立ち止まって瞬きをしていると、彼の指先がシルバーの細いバングルを指した。
「これ、俺好き。志央は?」そう尋ねられ、曖昧に頷いてみると、彼は店員を呼ぶように軽く頭を下げ、店員が来ると「これ二つ下さい。カードで。付けるので、そのままで」と言い、素早く財布を取り出してカードを差し出した。
店員もすぐに対応し、カードを返してから、丁寧にバングルを取り出し、展示台の上に置いた。すかさず彼は手に取り、こちらの手首に付けると、自分の手首にも付けて、口の端を上げていた。
余りにも大胆な行動に、胸の内が擽ったくなりながらも、静かに口を開いた。
「ありがと、嬉しい」
その言葉を受け取るように彼はこちらの手を掬い、指を絡めながら店を抜け出し、百貨店に足を運んで行った。各店舗が並んだ通路を進み、エレベーターに乗り込むと、上階のボタンを押して、着いたところは映画館だった。
チケット売り場で券を購入し、シアターで並んで座り、二時間の映画を楽しんだ。
そこから、また大通りまで歩いて行き、二人でイルミネーションを見ていると、雪が降ってきた。
不意に彼がこちらの手に半券を握らせ、「これ志央が持ってて、記念に」と言い、前を見つめたまま、再び言った。
「これからも一緒に居ような」
それは未来のチケットを手にしたような感覚だった。
ー完結。
瞬く間に時が過ぎ去り、大通りはクリスマスに彩られ、道路脇には雪が積もっていた。
二人で繁華街を歩いていても、黒服が声を掛けてきて、彼はそのたびに「はいはい。ごくろーさん」と言って、軽くあしらった。
そこから駅の近くの洒落た宝飾店に足を運ぶと、店内を歩きながら、おもむろに彼が言った。
「どれがいい?」
思わず狼狽えていると、彼は平坦な顔でこちらを向き、『あ』とでも言うように口を開いたかと思うと、続けて「正式的なやつ」と言った。
首を振って答えると、彼は「なんで」と尋ねてきて、困りながらも返した。
「今してるのがいい」
すると彼は軽く笑い、「なら、お揃いのバングルにするか」と言って、選び始めた。
展示台には宝石のついたものから、ロゴの入ったものまで並んでいて、値段を見ても目が眩みそうになった。ふと立ち止まって瞬きをしていると、彼の指先がシルバーの細いバングルを指した。
「これ、俺好き。志央は?」そう尋ねられ、曖昧に頷いてみると、彼は店員を呼ぶように軽く頭を下げ、店員が来ると「これ二つ下さい。カードで。付けるので、そのままで」と言い、素早く財布を取り出してカードを差し出した。
店員もすぐに対応し、カードを返してから、丁寧にバングルを取り出し、展示台の上に置いた。すかさず彼は手に取り、こちらの手首に付けると、自分の手首にも付けて、口の端を上げていた。
余りにも大胆な行動に、胸の内が擽ったくなりながらも、静かに口を開いた。
「ありがと、嬉しい」
その言葉を受け取るように彼はこちらの手を掬い、指を絡めながら店を抜け出し、百貨店に足を運んで行った。各店舗が並んだ通路を進み、エレベーターに乗り込むと、上階のボタンを押して、着いたところは映画館だった。
チケット売り場で券を購入し、シアターで並んで座り、二時間の映画を楽しんだ。
そこから、また大通りまで歩いて行き、二人でイルミネーションを見ていると、雪が降ってきた。
不意に彼がこちらの手に半券を握らせ、「これ志央が持ってて、記念に」と言い、前を見つめたまま、再び言った。
「これからも一緒に居ような」
それは未来のチケットを手にしたような感覚だった。
ー完結。


