成立事項!
けれど、何だか自分自身も嬉しくなってきてしまい、思わず笑みを漏らした。
先ほどのことは水に流してやろう、と、ぼんやり思いながら。
「あのねっ‥私、ちゃんと単語覚えたのよっ!」
栖栗は、未だ満面の笑顔でそう言うと、スクールバックから、ルーズリーフを取り出して、英の胸元に押し付ける。
反射的にそれを受け取ってみれば、羅列されていたのは紛れもない自分の文字。
どうやら、これは昨日作ったテストらしい。
英は、急に微笑ましくなり、一枚一枚ゆっくりと目を通していく。
テストの答えは一つも間違えてはいなかった。
どうやら、英が作ったテストは一番最後まで取って置いたらしい。
「──そっか」
赤丸ばかりのルーズリーフ。
眠かったのであろうか。
一番後ろにあったルーズリーフの字は、少しだけ歪んでいる。
──意外と頑張り屋なんだ‥
英は、新たな栖栗の一面を知った気がした。