『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません

 あれよあれよという間に、地方暮らしの貧乏男爵家の長女リリアーナは、このサリュー国の王太子の婚約者となった。これはリリアーナが受けるとされる加護の力を、国王が他には渡さずに囲い込みたかった意図がある。

 親元からすぐに離され、将来の妃候補として王宮で暮らすために一人呼び寄せられたが、将来の夫となるシルバの口と性格の悪さにリリアーナは疲弊した。

 自分がこの世で一番美しいと自負するシルバは、誰の目も奪うリリアーナの麗しさが妬ましく思ったようだ。生家を見下し、リリアーナの引っ込み思案な性格を酷い言葉でバカにした。

『僕の妻、王太子妃になりたいからって、竜の子を助けたなんてとんだ嘘をついた田舎女め!』

 あの不思議な生き物を竜の子だと言ったのは神官で、決してリリアーナではない。トカゲか蛇かと思っていたくらいだった。

 嘘つきと呼ばれ心は酷く傷つき、リリアーナは言葉を失い笑顔も作ることができなくなった。

 シルバの言葉や態度は、リリアーナの心を深く傷つけ酷いトラウマとなった。

 厳しい妃教育も重なり、心労が溜まり体調を崩すとリリアーナの身はやつれ、その美しさは輝きを失った。シルバがリリアーナの姿の変化を喜んだ。

 中庭で不思議な生き物を見つけたのをきっかけに、加護どころか、リリアーナにとっては地獄の日々がはじまってしまったのだ。

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