『欠陥品だがくれてやる』と下げ渡されましたが、英雄騎士の旦那さまは私を激重愛で離してくれません
恐怖で、目を瞑ってしまう。
すぐに訪れる衝撃に怯えていたが、予想外のこと起きた。ふわりと、誰かに抱きとめられたのだ。
シルバだったら、殴られるかもしれない。そう瞬時に思ったリリアーナがすぐに目を開き、その誰かの顔を見た。
息がかかるほどの近距離から、美しい空色の瞳がリリアーナをとらえていた。
「……アッ、ア、アザール様……っ!?」
リリアーナのピンチを救ったのは、グレイだった。
「大丈夫ですか、サルバル嬢。ああ、お可哀想に、目元が赤くなっています」
「あっ、だ、大丈夫、大丈夫です! これはちょっとした事故で、シルバ様の手が当たっただけで……」
そう言い終わるかどうかのときに、グレイの背後から「なんなんだ!」とシルバが叫ぶのが聞こえた。
「サルバル嬢を助ける際に、邪魔な殿下をちょっと退いてもらっただけなので、貴方が気にすることはないです。殿下より、サルバル嬢の方が何倍も大切な存在ですから」
グレイはそうはっきりと言い切って、爽やかな笑顔をリリアーナに向けた。